2007 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素中でのメソ構造有機-無機ハイブリッド触媒を用いた高選択的酸化反応
Project/Area Number |
06F06616
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 敏郎 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, コンパクト化学プロセス研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAPURKAR Sudhir Eknathrao 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / メソポーラス材料 / Cr-MCM-41 / 酸素酸化 / 高選択的酸化反応 / シナジー効果 |
Research Abstract |
本研究では、超臨界二酸化炭素(scCO_2)の特性とメソ構造有機-無機ハイブリッド触媒機能のシナジー効果を利用し、これまで極めて困難とされてきたアルカン類の高選択的酸化反応を中心として検討を行う。さらに、化学構造の異なる基質を用いて種々の酸化反応を行うとともに、超臨界状態に依存した触媒活性発現機構、反応メカニズムを理論・実験の両面から系統的に明らかにする。 具体的には、ナノスケールでの有機-無機ハイブリッド触媒調整法と、超臨界二酸化炭素反応に関する多くの知見、経験を融合することにより、全く新しい"超臨界二酸化炭素を用いる高選択的酸化反応"を創製する。また、超臨界状態特有の触媒活性発現機構、反応メカニズムを明らかにするために、超臨界二酸化炭素中での酸化反応について、溶解した基質、触媒(Co、Mn、Cr、Ti等)、ならびに反応生成物の相関関係についてab initio法によりエネルギー計算を行うとともに、各種分光学的高圧in situ測定によって、scCO_2との親和性、溶解性の大きさを理論的、実験的に検証する。 平成19年度においては、昨年度に合成したハイブリッド触媒の中から、酸素酸化触媒活性が良好なCr-MCM-41触媒(メソポーラス型)を選定し、scCO_2-酸素ガス共存下におけるベンジル化合物及びオレフィン化合物の酸化反応を試みた。具体的な成果として、1)テトラリンの酸化反応においては、工業原料として重要な1-テトラロンが高選択的(収率63%)に得られること、2)シクロヘキセンの酸素酸化反応では、生成物である2-シクロヘキセン-1-オン/2-シクロヘキセン-1-オール比が6.5と、従来触媒に比べ著しく高い値で得られること、3)オレイン酸の酸素酸化反応においては、非常に穏やかな反応条件下においても炭素-炭素二重結合が開裂し、アゼライン酸及びノナン酸が高収率で得られる、ことを見いだした。
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