Research Abstract |
本研究は,自然光と温度の季節変動と日内変動が内分泌および自律神経機能に及ぼす影響を検討することを目的とした。 16名の若年男子を被験者をとし,2007年から2008年にかけての春夏秋冬で実験を計画している。自律神経機能として,下肢温浴(水温40℃と42℃の2条件)による温熱負荷を行い,その前後で核心温,皮膚温,皮膚血流量を測定した。また,内分泌機能のデータとして静脈より採血し,カテコルアミン代謝産物(VMA,HVA,5-HIAA),アンジオテンシンII,アルドステロン,レニン活性(PRA),抗利尿ホルモン(ADH),GH,TSH,fT3,fT4,レプチンを測定した。 報告書作製の時点までに2007年1〜2月の冬季実験のみを実施した。その結果は,全被験者とも下肢温浴によりPRA,アンジオテンシンII,HVAは減少した。ADHとアルドステロンは暑熱負荷後上昇した。VMA濃度は変わらなかった。 本研究は今後2007年4〜5月,同年7〜8月,同年10〜11月,2008年4〜5月に同様な実験を実施して季節変動を分析する予定である。したがって今年度内での実験では本研究の最終的目的を達しえない。この研究はヒトの健康維持の目的における温度と光との関係を検討するのに重要であり,本研究完了のおりには,温度と太陽光曝露の自律神経機能への効果が明らかになることが期待される。さらに,自律神経機能と関連した心的障害の季節変動が免疫活性とに関連において解明される可能性があり,温暖地域と寒冷地域間での心的障害の有病率の差を説明できるかもしれない。
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