2006 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴの白化における共生藻光合成修復メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
06F06759
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山崎 秀雄 琉球大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUCHARD Josee Nina 琉球大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | サンゴ / サンゴ白化現象 / 光合成 / 環境修復 / 地球温暖化 / 一酸化窒素 / ストレス / 活性窒素 |
Research Abstract |
永続的にサンゴ礁生態系を修復するためには、人の手を入れないで自立的に回転するシステムが必要である。本来、生物にはダメージを修復する能力が備わっており、サンゴにも様々な修復システムが機能している。サンゴに共生している共生藻の光合成系は、青色光によってダメージが修復される可能性がある。本研究課題では、青色光によるサンゴ修復システムの強化の有効性とメカニズムを検討し、新しいサンゴ礁回復技術の開発を目指している。3年間の研究計画で青色光のストレスに対する生理学的な効果を調べ、光合成修復系に対する最適な光の質を明らかにすることを目的としている。9月途中来日の本年度は、実験系の確立を主な目的とした。本年度は、既に研究開始時期が冬季にはいっているため、野外実験はおこなわず、次年度に向けた予備調査研究および実験を中心におこなった。共生藻から発せられるクロロフィル蛍光をイメージクロロフィル蛍光測定装置によって非破壊的に連続測定し、サンゴに対するダメージ評価技術を確立した。また、単離共生藻の完全合成培地での培養を試み、生理活性のある共生藻培養に成功した。次年度以降の本研究のための予備実験として、ストレス負荷時にサンゴ共生藻から発生する活性窒素の定量化を試みた。電極型一酸化窒素センサーおよび一酸化窒素検出蛍光試薬(DAF2-DA)を用いて、白化ストレスを与えたときの一酸化窒素の発生量を調べた。その結果、サンゴ共生藻は、植物や他藻類と同様に亜硝酸に依存して一酸化窒素を発生させる活性があることが明らかになった。
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