2006 Fiscal Year Annual Research Report
Bリンパ球の活性化と恒常性維持におけるIRFファミリー転写因子の役割
Project/Area Number |
06F06763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 維紹 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAVITSKY David 東京大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | B細胞 / Hyper IgM症候群 / IRF / クラススイッチ |
Research Abstract |
B細胞におけるclass switch recombination(CSR)は、古くから研究されている分野であるが依然として不明な点も多く、且つ実際の臨床への応用も充分ではない。そこで本研究ではIRFファミリー転写因子の機能解析を通し、末梢のリンパ組織におけるCSRの分子機構の一端を明らかにしたい。IRFファミリー転写因子はウイルス感染等、病原体感染における免疫系賦活化に重要な転写因子であり、特にIRF5は病原体認識受容体であるToll-like receptor(TLR)刺激において活性化され、IL-6などの炎症性サイトカインの誘導に重要である。これまでの実験ではIRF-5欠損マウスにおいてcomplete Freund adjuvant(CFA)+TNP-KLHで免疫した際に、IgMを除く全てのクラスの抗体価が著名に抑制されていることが見いだされていた。そこで研究計画に沿って、その他のアジュバントとの組み合わせについて検討を重ねた。 CFA とTNP-Ficoll、またはTNP-LPSとの組み合わせにおいてもTNP-KLHと同様に全てのクラスの抗体側が減弱していた。一方、この異常はAlumをアジュバントとして免疫した際には認められず、CFAなど病原体関連分子を含むアジュバントによって免疫した場合にのみHyper IgM症候群様の病態を示すことを明らかにした。本成果をもとに、次年度においてはリンパ組織、腹腔内、腸管などにおいて、病原体感染時におけるT細胞依存性・非依存性CSR誘導におけるIRF-5の役割を明らかにしていく予定である。また他のIRFファミリー転写因子群についても検討を加える予定である。
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