2007 Fiscal Year Annual Research Report
内在性レトロトランスポゾンを用いたミヤコグサの遺伝子タギング系の開発
Project/Area Number |
06J00900
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
深井 英吾 National Institute of Agrobiological Sciences, 基盤科学研究領域, 特別研究員(PD) (00570657)
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Keywords | ミヤコグサ / レトロトランスポゾン / モデル植物 / 遺伝子タギング / ゲノム動態 / 国際情報交換 / デンマーク |
Research Abstract |
ミヤコグサ内在のレトロトランスポゾンLORE1,2を用い、ミヤコグサの遺伝子タギング系を確立する事を最終目的とし、研究を行っている。 レトロトランスポゾンの転写は、その転移に必須である。逆に、宿主ゲノム側はレトロトランスポゾンの転写を抑制する事により、その転移頻度を低く抑えていると考えられる。シトシンメチル化等によるエピジェネティックなサイレンシング機構の大きな意義のひとつが、トランスポゾンの転写・転移抑制であることが明らかにされつつある。メチル化阻害剤の処理によりゲノムワイドなシトシンメチル化低下を誘導したミヤコグサの培養細胞において、LORE1,2の転写量が僅かながら上昇したため、LORE1,2もメチル化による不活性化を受けていると考えられた。そこで、ゲノムDNAのメチル化維持に関与していると考えられる遺伝子のRNAi形質転換体をミヤコグサで作製したところ、ゲノムのシトシンメチル化の低下とLORE1の転移を誘導することに成功した。現在、ミヤコグサの遺伝子タギング系確立に向け、LORE1の転移様式やメチル化状態などの基礎的データの収集を行う一方、タギング系の汎用性を向上させるべく、非形質転換体におけるLORE1転移誘導を試みている。 トランスポゾンは宿主ゲノム中で時間とともに転移活性を失っていくと考えられるが、トランスポゾンの寿命についての実験的データはほとんど無い。ミヤコグサのLORE2の中に、転移活性を持つ非常に古い(60万年前の)コピーがあることを見いだしたので、これについて論文を投稿中である。また、トランスポゾンに富むゲノム構造を持つイネにおいて、トランスポゾンを標的としたシトシンメチル化が、遺伝子の発現制御にも大きな意義を持つ事を明らかにし、現在論文を準備中である。
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Research Products
(4 results)