2007 Fiscal Year Annual Research Report
ジェンダーに注目する沖縄の米軍基地と地域社会との重層的関係
Project/Area Number |
06J02556
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮西 香穂里 Kyoto University, 東南アジア研究所, 特別研究員(PD) (90572389)
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Keywords | 米軍 / 沖縄 / 基地 / 軍隊 / ジェンダー / 文化人類学 / 女性 / 結婚 |
Research Abstract |
本研究の目的は、米軍男性と現地人女性との関係に注目するジェンダーの視点から、沖縄の米軍地と地域社会との重層的関係について考察することである。本研究での米軍とは米国海兵隊を意味する。その際に、1)交際・結婚、2)基地内就労、3)「基地の街」の3領域に焦点を当てる。以上の研究目的にもとづいて、本年度は主に1)と2)を中心に現地調査を行った。また、本年度後半からは博士論文執筆にむけて資料整理を行った。 1.米軍基地内の施設であるPersonal Services Center (PSC)を中心に、海兵隊基地内での現地調査を昨年度から引き続き行った。 2.基地内施設であるMarine Corps Family Team Building(MCFTB)によるセミナーへ参加した。参加したセミナーは、Japanese Spouse Orientation( JSO)、L.I.N.K.S.、Japanese L.I.N.K.S.とKey Volunteerである。これらのクラスの参加から、日本人妻やアメリカ人妻の抱える疑問や問題点が明らかとなった。また、海兵隊の部隊と軍人家族の架け橋となる軍人妻であるKey Volunteerを育成するクラスへの参加により、いかに海兵隊の軍人家族の支援制度が形成されており、機能しているのかを学んだ。 3.米兵と結婚した日本人妻、その夫とのインタビューを行った。インタビューから、本土出身の日本人妻と沖縄出身の妻たちの間に見られる相違や緊張関係を見ることができた。また、アメリカ人夫は、退役後や除隊後の就労や不安定な収入、また退役後の定住場所について悩んでいた。また、基地内で働く日本人従業員とのインタビューから、基地、軍隊やアメリカ合衆国に対する複雑な思いや葛藤が明らかになった。さらに、アメリカ人軍入妻とのインタビューから、彼女たちが抱える就労に対する不満も明らかとなった。
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