2006 Fiscal Year Annual Research Report
オーストロネシア諸語の記述言語学的研究-中部カリマンタンのドホイ語を中心として-
Project/Area Number |
06J02587
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 和也 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 記述言語学 / オーストロネシア諸語 / 対面調査 / 辞書 / データベース / インドネシア / ボルネオ / カリマンタン |
Research Abstract |
平成18年度は,当初の計画通り,ドホイ語の音声学・音韻論的諸問題に関して重点的に調査・研究をおこなった.インドネシアの中部カリマンタン,カハヤン川源流におけるトゥンバン・マリコイ(村)において対面調査をおこない,調査協力者の助力を得て,録音・筆記によって滞りなく一次資料を収集した.調査のための1ヶ月未満の海外渡航は計3回あった.現地調査で得られたドホイ語のデータの電子化・分析の成果の一つとして,2006年11月に日本言語学会において,「カドリ語の語中破裂音」と題し,口頭発表している.この口頭発表の内容は,2007年3月現在,加筆・修正を経て,『言語研究』(日本言語学会誌)に投稿中である.また,ドホイ語の文法に関する調査・研究成果として,二つの論文(2006年12月‘A sketch on the morphosyntax of Kadorih'『京都大学言語学研究』第25号,2007年3月「カドリ語」中山俊秀・山越康裕(編)『文法を描く-フィールドワークに基づく諸言語の文法スケッチ-2』所収予定)を発表している.この他,非公式の研究資料として,ドホイ語の辞書・テキスト・論考をまとめた349ページからなる冊子を作成している.この資料は来年度の調査・研究の参考資料とする予定である.
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Research Products
(2 results)