2007 Fiscal Year Annual Research Report
永久電流モード待機機能を有する瞬時電圧低下補償高温超伝導コイルシステムの研究開発
Project/Area Number |
06J02788
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東川 甲平 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | SMES / 高温超伝導 / 最適設計 / 有限要素法 / 遺伝アルゴリズム / 次世代線材 / 機械特性 / 交流損失 |
Research Abstract |
瞬時電圧低下(瞬低)対策装置として実用化の始まっている超伝導磁気エネルギー貯蔵(SMES)に関して,以下に挙げる成果により,同装置導入拡大の鍵を握る高温超伝導化・高機能化の可能性を示した。1.超伝導特性に起因する電磁的制約,ならびに線材の機械的強度に起因する機械的制約の双方の観点から上記装置の最適構成・最適運転形態を検討した。その結果,大容量装置ほど機械的制約が支配的となることが明らかとなり,高強度な基板を有する次世代高温超伝導薄膜線材の有用性を再確認することとなった。また,この場合には電磁的制約に比較的余裕が生まれることから,大容量装置ほど運転温度の高温化が可能であることもわかった。本結果は,高温超伝導化がSMESのスケールアップにまで大きく貢献することを示すものである。2.瞬低発生時にはSMESのエネルギー貯蔵部である超伝導コイルに過渡現象が生じ,いわゆる交流損失による発熱が見込まれる。そこで本研究では,有限要素法と遺伝アルゴリズムを用いた最適設計手法により,その交流損失を飛躍的に低減するコイル構成・形状を提案した。この充電時の過渡特性は超伝導コイルの永久電流減衰に影響を与えるため,本結果は同装置の永久電流モード待機運転の実現に貢献し得るものと期待される。3.高温超伝導線材に関しては,現在では希土類系の次世代高温超伝導薄膜線材が精力的に開発されているところである。本研究では,同線材の特性のばらつき,基板の厚みまで上記機器の設計に反映することで,要求される特性の均一性や基板の厚みに関する指針を示した。このような機器設計側から線材開発へのフィードバックを行うことにより,機器開発と線材開発の相乗効果が見込まれる。
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Research Products
(6 results)