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2006 Fiscal Year Annual Research Report

森林生態系における枯死材分解に関わる菌類の役割評価

Research Project

Project/Area Number 06J02891
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

深澤 遊  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

Keywordsブナ枯死材 / 分解 / 菌類遷移 / リグノセルロース / 含水率 / 冷温帯天然林
Research Abstract

京都府北部の冷温帯天然林を調査地とし、優占種であるブナの枯死材を材料として研究を行った。まず、枯死材のサイズクラスごとに内部に定着している菌類を調査した。直径1-3cm、6-13cm、14-30cmの3サイズクラスの新鮮なブナ枯死材を冷温帯天然林の林床に設置して、設置半年後までに定着してくる菌類の種組成をサイズクラス問で比較した結果、菌類の中でも材分解力があると考えられている担子菌類が細い直径の枯死材ほど早く定着することが分かった。この理由として、直径の小さな材の方が枯死後短時間で担子菌類の生育に適した含水率に達することが挙げられた。さらに、枯死後約2年経過したブナ枯死材内部の菌類群集を調べたところ、どちらも優占していたのは担子菌であり、直径7-8cmの枯死材ではカワラタケが、直径10-20cmの枯死材ではツキヨタケが優占していた。
次に、枯死材の中でも大きなバイオマスを占める直径10cm以上のブナの倒木と立ち枯れ(直径15-44cm)について1から5の分解段階に区分して各分解段階につき10本ずつマークし、調査地の積雪が消える5月から12月まで1シーズン、表面に発生する菌類のキノコ(担子菌類や子嚢菌類の大型子実体)を記録した。さらに倒木については、各倒木につき1枚ずつ、約10cmの厚さの円盤を切り取り、切断面から菌の分離を行った。キノコの記録と材からの菌類の分離は、組み合わせて行うことにより相補的なデータが得られ、枯死材に定着している菌類群集をより正確に知ることができる。結果、ツキヨタケなどの担子菌類が分解初期から中期にかけて優占し、分解後期になるとウラベニガサといった担子菌類や、様々な不完全菌類が優占していた。材の有機物の分析を行った結果、分解初期から中期にかけてリグニンとホロセルロースが等比率で分解されていた。一方、分解後期にはホロセルロースが選択的に分解されていた。さらに、材の分解にともない材の容積密度は減少したが、それに反比例して材の含水率は増加しており、分解初期の菌類と分解後期の菌類の出現は材含水率200を境に入れ替わっていた。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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