2006 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチド局在型イソプレノイド系二次代謝の制御と生理機能
Project/Area Number |
06J03424
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 佳菜子 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラボノイド / プレニルトランスフェラーゼ / 膜タンパク質 / マメ科 / ジメチルアリルジリン酸 / ナリンゲニン / 分子生物学 / 酵母 |
Research Abstract |
クララ培養細胞由来ESTクローン約10,000個中から、Mg^<2+>依存型プレニルトランスフェラーゼにおける保存モチーフ6種のいずれかを有するクローン200個を選出した。それらをそれぞれ酵母で発現させ、その膜画分を用いてナリンゲニンとDMAPPを基質として酵素活性のスクリーニングを行ったところ、ナリンゲニンに1つのdimethylallyl基を転移する活性を示すものが1クローン得られた。このcDNAをnaringenin 8-dimethylallyltransferase(SfN8DT)と命名した。SfN8DTは、全長1,495bpで410個のアミノ酸をコードしていた。ウェブ上のプログラム予測(TMHMM)から、本タンパク質は9回の膜貫通ドメインを有することが示唆され、生体キノンの生合成に関与する膜結合型プレニルトランスフェラーゼと類似の分子であることが分かった。 組換えSfN8DTを用いて基質特異性を調べたところ、本酵素はナリンゲニン以外にはフラバノン骨格を有するヘスペレチンのみをプレニル化し、フラボン、イソフラボン等は基質としなかった。また、クララ培養細胞の主成分であるプレニルフラボノイドSFGの直前の基質であるleachianone Gや、フェノールカルボン酸であるホモゲンチジン酸もSfN8DTの基質とはならなかった。一方、プレニルドナーとしては、DMAPPのみに高い特異性を示すことが分かった。 組換えSfN8DTのK_m、至適温度、至適pH、二価カチオン要求性を調べた。ナリンゲニンに対するK_mは55μM、DMAPPに対するK_mは108μM、至適温度は70℃、至適pHは9-11であった。これらは至適温度を除き、クララ培養細胞の膜画分を用いたnativeな酵素において報告されている値と一致した。今後は、SfN8D7の発現解析やタンパク質の局在、生成物の蓄積部位を調べる予定である。
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Research Products
(1 results)