2007 Fiscal Year Annual Research Report
全球陸面水文諸量とメソ数値モデルによる大気・陸面相互作用の時空間解析
Project/Area Number |
06J03426
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萬 和明 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大気・陸面相互作用 / 陸面水文諸量 / 土壌水分量 / GSWP2 / Global Soil Moisture Data Bank / JRA25 / 気象強制力 / 陸面オフライン計算 |
Research Abstract |
研究代表者はGSWP2プロダクトとして10年分の全球陸面水文諸量(1986-1995)を算出している.増田耕一博士の協力を得てJRA-25長期再解析プロジェクトによるデータセットを気象強制力とした陸面オフライン計算を実施し,1979-2004年の25年に及ぶ陸面水文諸量のデータを新たに作成した.算出した陸面水文諸量の精度評価を実施した.具体的には,土壌水分量に着目し,Global Soil Moisture Data Bankにアーカイブされている現地観測値と推定値の,季節変化と年々変動の時系列変化の相関係数を算出した.アメリカ・イリノイ州や旧ソ連西部では季節変化・年々変動の変化ともによい相関を示している,一方,中国のGSMDB観測点がある地点では,季節変化・年々変動の変化ともにあまりよい相関が得られなかった.Guo, et. al.(2006)によると,GSWP2参加の他の陸面過程モデルによる推定結果でも,同様の傾向を示している.なお,GSWP2の入力値としての降水量とNational Climate Data Centerの降水量を,月降水量で比較してみると,季節変化・年々変動の変化の相関はともに,GSMDBの観測点では相関が高く,土壌水分量の相関が低い地点は年降水量の少ない地点とほぼ一致している,そこで,研究代表者は,降水量をNCDCの降水量に差し替えた実験と,土壌パラメータを変えた実験を数種類実施してみたが,相関の改善はみられなかった.今後,よりよい土壌水分量分布の推定を目標として,衛星による赤外情報を用いた土壌水分量のデータ同化システムの構築を進める予定である.
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