2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲームプレイヤーのためのモーションクリエイション環境の構築
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06J03838
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 敦 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | モーションクリエイション / ゲームプレイヤー / キャラクタ / エピソード |
Research Abstract |
今年度は研究課題となっているゲームプレイヤーのためのモーションクリエイション環境を構築するための基盤システムを制作し,その成果について発表を行いました.ゲームプレイヤーがモーションを自由にクリエイションできるようになるとゲームの話の展開が変化するため,その変化した展開に対してキャラクタが柔軟に対処することが求められます.また,プレイヤーからの干渉に対しても知的に対処することが求められます.そのため基盤システムの重要な機能として,ゲームプレイヤーからの自由なタイミングでのインタラクションに対してキャラクタが人間のように知的に振る舞い,かつそれらのキャラクタの能動的な行動によって長期的な話の展開を生成する行動制御技術が必要となっていました.そのため,AND/ORの話の展開や分岐を表すノードを持ったツリー構造で表されたイベントの集合を断片化された一つのエピソードモジュールとして,これらを話の展開に合わせてキャラクタに適用していくことで,キャラクタのリアクションや長期的な行動を制御するための枠組みを整えました.この提案について論文発表するとともに,EC2006デモセッションやCEATEC JAPAN 2006の会場において実装したシステムの展示を行いました.展示会場では,システムの改善点や有効性,応用技術といった幅広く有用な意見を頂くことができました.これらの段階を経て11月に行われたNICOGRAPH論文コンテストでは審査員特別賞という受賞経験が得られました.また,この提案技術は,オフラインゲームだけでなく,オンラインゲーム環境でも有効な技術であると考え,Crest Online Gameシンポジウムにおいても発表いたしました.来年度は,この基盤システムをもとに,クリエイション要素を取り入れた研究内容に取り組み実績を重ねていきたいと考えています.
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