2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントモデルを用いた温室効果ガス排出権取引と炭素税の政策評価
Project/Area Number |
06J04652
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 健一 関西学院大学, 総合政策研究科, 特別研究員(DC2) (00534570)
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Keywords | マルチエージェントモデル / 排出権取引 / 炭素税 / 経済分析 / 政策評価 / 気候変動 / 地球温暖化 / 温室効果ガス |
Research Abstract |
今年度の研究では、研究課題に関するマルチエージェントモデルの構築とそのモデルを用いた温室効果ガス排出権取引と炭素税の分析を行った。これまでに構築したモデルは部分均衡的なモデルであり、排出権取引や炭素税を単独的に扱うものである。マルチエージェントモデルの性質上、排出権取引市場に関する分析を主に進めている。モデルの構築にあたっては、「国」をエージェントとしてとらえ、各エージェントの目的達成のための戦略や学習、意思決定方法などに焦点をあてた。また、市場における適切な取引方法や課税方法などについても考察した。 今年度に論文誌などに投稿し、また国内学会および国際会議などで発表した研究成果は、研究実施計画にも記した従来型の経済分析モデルを用いた温室効果ガス排出削減、温室効果ガス排出権取引および、炭素税の政策分析に関するものが多くある。マルチエージェントモデルおよび、モデルを用いた分析に関する研究成果に関しては、現在、論文誌に投稿中であり、また来年度の国内学会および国際会議での準備を進めている(一部の成果に関しては発表済みあるいは発表することが決定している)。 来年度の研究の展開としては、モデルの前提条件やエージェントの特性などについて精査することはさることながら、これまでに構築したモデルが部分均衡的なモデルであるため、排出権取引や炭素税が広く社会経済や産業などに対してどのように影響するのかについて一般均衡的な観点からの分析についても考える。また、従来型の経済分析により得られた分析結果との比較をする。
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Research Products
(3 results)