2006 Fiscal Year Annual Research Report
高温作動デバイスへの応用を目指したセラミックスヘテロ接合の高温光・電子物性の研究
Project/Area Number |
06J05355
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀切 文正 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SrTiO3 / 欠陥化学 / Schottky / 導電率 / 界面 / 表面 / 面方位 / 太陽電池 |
Research Abstract |
本研究の目的は、セラミックスヘテロ接合の高温光・電子物性を用いた、太陽電池やトランジスタなどの高温作動デバイスの作製である。当初、本年度は、表面および界面物性の評価を行い、高温デバイスを試作する予定であった。しかし、基礎となるバルクの熱力学物性値の高温での報告例が無く、今後必要な物性値を求めることに注力した。 本年度の主な研究業績は、デバイス作製の基礎となるNbドープのSrTiO3のバルクの熱力学物性について詳細な検討を行ったことである。n型のSrTiO3について、電気的特性に大きな影響を及ぼす欠陥化学については詳細な報告例がなく、欠陥モデルを用いて電子導電率の実験結果を詳細に解析することにより、酸素欠陥生成エンタルピーなどの熱力学物性値を求めた。また、欠陥モデルを実験結果解析に用いる際に厳密な解析解が得られたため、作動温度・雰囲気・Nb添加量より導電率が予測でき、この結果が、太陽電池やトランジスタなどの電子デバイスの設計に活かせるだけでなく、固体酸化物形燃料電池材料の設計指針ともなることもわかった。以上の研究成果は、2007年6月に行われる"10th International Symposium on Solid Oxide Fuel Cells"および2007年7月に行われる"The 16th International Conference on Solid State Ionics"にて発表予定である。表面の微細構造の変化についても上記の欠陥モデルで説明できると考えられ、界面物性と伴に現在検討中である。デバイス作製については、面方位の異なる単結晶基板を用いた高温Schottky太陽電池を作製し、評価を行った。面方位の違いにより、性能が変化し界面準位がデバイスの性能に影響を及ぼすことがわかった。現在、実験の再現性を確認中である。
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