2006 Fiscal Year Annual Research Report
東欧・黒海周辺地域における教会・修道院建設とその保存継承に関する研究
Project/Area Number |
06J06064
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 環 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 東欧 / バルカン / ルーマニア / 歴史遺産 / 東方正教 / 修道院 / 保存 |
Research Abstract |
本研究は、東欧・黒海周辺地域におけるビザンチン〜東方キリスト教・イスラーム時代の修道院に関する、建築史、美術史、考古学的研究と、それらの保存継承に向けた政策的視点という二段階の構想で行われている。申請者は昨年度までに、1)教会建築様式の系譜、2)教会・修道院経営、3)ルーマニア・スチャーヴァ市中心部を対象とした都市形成と教会・修道院建設過程、という3つの大枠に沿った研究を行っており、現地政府と共同で進めているバリネシュティ教会修復事業における現場を通じた研究を行っている。 2006年5月、グルジアとルーマニアにおいてフィールドワークを実施した。両都市では社会主義時代の都市改造によって歴史的環境の多くが失われてしまったことをふまえて、修道院の様式と今日の遺産保護に関する現状調査を行い、CADによる調査図を作成した。またこれまで現地、欧米文献に頼っていたが、7月のモスクワ大学文学部における調査では、カフカスとバルカンを結ぶ地域一帯のロシア語史資料収集を行った。9月〜12月にかけては、パリのコレージュ・デ・フランスにおけるビザンチン資料館にて歴史、調査報告書の収集を行い、イコモス資料室では保存に関する制度と現状に関するドキュメントの収集を行った。現在は絵図資料、修復図面とフィールドワークの成果を合わせた分析を進めており、その中間成果を日木建築学会全国大会(関東、8月)にて発表した。
|
Research Products
(1 results)