2006 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルスUs3の機能解析(Us3はAktを模倣しうるか?)
Project/Area Number |
06J06673
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 哲久 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / プロテインキナーゼ / 模倣 |
Research Abstract |
【研究の目的】 本研究の目標は、単純ヘルペスウイルスのプロテインキナーゼUs3が、宿主細胞の生存を司る中心的なプロテインキナーゼであるAktを模倣するという仮説を検証することである。 【本年度の研究実施計画】 1:申請者がすでに同定したUs3標的因子がAktの標的因子となりうるかを解析する。 -結果- Akt標的因子(Bad, AFX)はUs3標的因子となり得た一方、Us3標的因子(UL34,UL31)はAktの標的因子とはなり得なかった。また、PKAを用いても、同様の解析を行った。その結果、Us3標的因子はPKAの標的因子となりうることが明らかになった。Akt同様PKAも、AGC-Kinase familyに属する。これらはUs3がAGC-Kinase familyを模倣しうることを示唆する。 2:Us3の網羅的なスクリーニングを実施する。 -結果- プロテインチップを基質としたUs3リン酸化反応を実施し、Us3の網羅的なスクリーニングを実際した。その結果、HDAC, LaminA/C, PKAcαおよびIRF9などの興味深い推定標的因子が得られた。今後はこれらの感染細胞における生理学的な意義の解析を予定している。 【今後の研究の展開】 本年度の研究により、Us3はAGC-Kinaseの一部を模倣しうることが明らかになった。また、興味深いことにUs3のPK活性の制御にAGC-Kinaseの関与を示すデータも得られた。感染細胞において、Us3とAGC-Kinaseは正のループを形成するのかもしれない。この点も初期の計画に追加し、今後の解析を進める予定である。 【本年度の学会発表】 ・第6回 あわじしま啓染症・免疫フォーラム(ポスター発表) ・第21回 ヘルペスウイルス研究会(口頭発表) ・第54回 日本ウイルス学会(ワークショップ採択、口頭発表)
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