2006 Fiscal Year Annual Research Report
病原菌に対する植物の防御反応誘導機構に関与するU-boxタンパクの機能解析
Project/Area Number |
06J06801
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
門田 康弘 独立行政法人理化学研究所, 植物免疫研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | 耐病性シグナル複合体 / 病害抵抗性 / シャペロン / 抵抗性蛋白質 |
Research Abstract |
植物は植物病原菌の感染を抵抗性(R)蛋白質により認識し過敏感反応と称される強い抵抗性反応を誘導する。このR蛋白質の安定化に関わると考えられているのが、RAR1,SGT1,HSP90を中心とするシャペロン複合体である。RAR1はU-box蛋白質(AtPub20)とも結合することから、これら因子はプロテアソームを介した蛋白分解にも関与する可能性が示唆されている。この複合体の機能を分子レベルで解明するため、RAR1のアミノ酸残基に部位特異的変異を導入した変異蛋白質を多数作出した。そして、酵母ツーハイブリッド法とin vitro結合実験により、SGT1,HSP90,Pub20等との結合に重要なアミノ酸残基を特定した。現在、これらRAR1変異蛋白質を用いた結合実験をさらに進め、これら因子がどのように複合体を形成し、R蛋白質の安定化に伴ってどのように変化していくのか?を調べている。今後、シャペロン活性をin vitroで測定する実験系を立ち上げ、この複合体がどのようにR蛋白質を安定化しているかを調べる予定である。また、これらRAR1変異蛋白質をシロイヌナズナのrar1欠損変異体に発現させた形質転換植物を作成しており、これら形質転換体におけるR蛋白質の量と病害抵抗性を調べることによって、RAR1がこの複合体の機能と病害抵抗性に果たす役割を調べる予定である。
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