2006 Fiscal Year Annual Research Report
胃電図を人間工学へ応用するための信号処理・可視化法に関する研究
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06J07842
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松浦 康之 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 胃電図 / 生体信号処理 / 自己回帰モデル / 拍動間隔時系列 / パワースペクトル / 自律神経活動 |
Research Abstract |
経皮的胃電図を対象として、人間工学などの分野で、疾病診断・予防、生体状態の推定、製品のヒューマンインターフェイス評価へ応用するための計測方法・評価指標の開発を目的としている。 1.座位・仰臥位時における胃電図・心電図・脈波・脳波の測定を行った。 2.自己回帰モデルを用い、胃電図のモデル化を行った。モデルの適合精度を評価するために、残差の標準偏差を時系L列の標準偏差で正規化した。その結果、胃電図は線形モデルで精度高く記述できることが確認できた。胃電図は、過去10秒程度のデータから予測でき、4〜5個の周波数成分が含まれると推測された。座位と仰臥位では時系列の構造がやや異なっていた。仰臥位時の胃電図は安定した規則変動であることが推測された。 3.睡眠時の胃電図の変動の特徴抽出を行い、胃腸活動の活発さの評価指標を提案した。この指標の時間変動により、睡眠中ほぼ全期間に渡って胃の活動が認められることが確認できた。さらに、睡眠前期と睡眠後期における自律神経活動状態の差異、あるいは、概日性リズムの影響をパワースペクトルから評価することができた。 4.R-R間隔時系列変動と胃電図時系列変動との関連の解析を行うことにより、胃電図を用いた自律神経活動バランス評価手法の提案を目的として、胃電図による自律神経活動バランス推定や生体状態評価の可能性の検討を行った。その結果、胃の蠕動運動を反映するとされる3cpm付近のパワーはR-R間隔のHFパワーと類似の意味付けができ、則ち副交感神経活動度の大小を評価でき、腸の活動を反映するとされる6cpm付近のパワーはLFパワーと類似の意味を持ち、副交感神経活動度だけではなく、交感神経活動度との関連が予測された。
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