2006 Fiscal Year Annual Research Report
郊外戸建住宅地における人的ネットワークをいかした住宅管理の方策に関する研究
Project/Area Number |
06J08907
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西岡 絵美子 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2) (00509119)
|
Keywords | 住宅管理 / 戸建住宅 / 郊外住宅地 / NPO / 業者との継続関係 |
Research Abstract |
本研究は個人の住宅管理の適正化に向けた支援のあり方を検討することを目的としたものであり,今年度の主たる研究成果は以下のとおりである。 1.戸建住宅の居住者と建築工事業者との継続関係居住者と建築工事業者との継続関係の実態を,千里ニュータウンとそれに隣接する2つの郊外住宅地における居住者に対するアンケート調査により明らかにした。考察は現住宅を施工した業者と現在つきあいのある業者とに大別して行い,取得方法,業態,築後経年数,リフォーム工事実施回数別に,それぞれの継続関係の傾向を示した。例えば,現住宅の施工者との関係は築後経過年数と共に疎遠になり,最初のリフォーム工事が継続関係を明確にさせる契機となり,それは築後約20年目頃であることなどがわかった。 2.行政・公益法人の住宅管理の支援に関する取り組み行政・公益法人による住宅相談業務をはじめとする住宅・管理の適正化への取組みを,文献調査とヒアリング調査により明らかにした。行政・公益法人の役割は,居住者が住宅管理を適正に行うことができる社会環境整備であり,相談業務においてはより多くの居住者に対して公平な立場で一般的な情報や専門家としての助言を提示することであることが明らかになった。そのため,業者紹介や結果の書面化は行っておらず,解決に踏み込めない部分があることがわかった。 3.住宅管理を支援する市民活動団体の取組み簡易な施工,バリアフリー改修の設計や助言,調査・診断や業者紹介などによって住宅管理を支援する市民活動団体の活動実態を,大阪府下の8つの団体に対するヒアリング調査を元に明らかにした。市民活動団体が,作業の個別性や低収益性,あるいは通常の業者にはない専門知識や第三者性を要するため民間業者では対応されていない部分の担い手となる可能性や,公益性・第三者性と民間との親和性を兼ね備えており行政・公益法人を補完する可能性などが確認された。
|