2008 Fiscal Year Annual Research Report
保型群のある種の部分群における極限的保型形式の零点の配置とリーマン仮説の類似
Project/Area Number |
06J09705
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野崎 寛 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 距離集合 / 球面デザイン |
Research Abstract |
球面S^d上の有限個の点の集合で、異なる2点間の距離がs種類であるものをs-距離集合と呼ぶ。また、球面のある種の近似を与える有限集合で球面t-デザインという概念がある。球面上の有限個の点の集合を扱うとき、この二つの概念が非常に重要である。s-距離集合の一般化である局所s-距離集合には、ある種の特別な元の個数の上界が示される。その上界を達成する局所距離集合を堅い局所距離集合と呼ぶ。また、球面t-デザインの一般化である重み付き球面t-デザインにもある種の特別な元の個数の下界が知られている。この下界を満たす重み付き球面t-デザインを堅い重み付き球面デザインと呼ぶ。このとき、堅い局所距離集合と堅い重み付き球面デザインに1:1の対応があることを示した。このことから、堅い局所s-距離集合はs-距離集合になっていることが分かる。この結果は、堅い距離集合と堅い球面デザインの対応の拡張になっており、局所距離集合の意義を強調するものとなっている。 sを固定したときに、どれ程多くの点を球面上に配置できるかがs-距離集合の問題である。このとき、元の個数に対する上界が非常に重要である。距離の値を固定したときに、知られている上界を改善する新たな上界を示した。この上界から、ある種の距離集合の非存在を導くことが出来る。Musinの論文では、この上界を効果的に用いて、次元dが小さいところで2-距離集合の元の個数の最大値を決定している。
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