2006 Fiscal Year Annual Research Report
逆遺伝学的手法による突然変異体の単離とクロロフィル分解制御機構の解明
Project/Area Number |
06J10006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 豊 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 老化 / クロロフィル分解 / イネ |
Research Abstract |
1.エンドウの緑色子葉突然変異遺伝子がこれまでイネやシロイヌナズナで解析されている3種類のstay green突然変異体の原因遺伝子のオーソログであるか調べたところ、イネSGRのエンドウオーソログが緑色子葉突然変異遺伝子であると考えられた。そこで、エンドウSGRの機能欠損型対立遺伝子を探索し、2種類の候補が見つかった。これまでに見出したイネstay green突然変異体25系統からsgr突然変異体をTILLING法により単離し、表現型の解析を行った。その結果、エンドウと同様イネsgr突然変異体でも暗黒老化誘導時においてクロロフィルとクロロフィル結合タンパク質の分解が顕著に抑制されており、またHPLC分析によってクロロフィル分解過程の中間産物の蓄積は検出されなかった。このことから、エンドウの緑色子葉突然変異遺伝子であるSGRは、クロロフィルあるいはクロロフィル結合タンパク質の安定性に関与していることが示唆された。 2.イネのNYC1はその機能が欠損した突然変異体ではstay greenを示し、イネゲノム中にはNYC1と相同性の高いNOLが存在する。NOLの発現をRNAiによって抑制した形質転換体がstay greenの表現型を示すことが明らかになった。さらに、NOLの後半部分を含む約14kbを欠失した突然変異体を単離した。 3.クロロフィル分解に関与するACD1はそれが欠損した突然変異体で病班様の表現型を示す。イネで病班様の表現型を示す突然変異体50系統からTILLING法によりacd1突然変異体の単離を試みたところ、終止コドンに変異を持つ突然変異体を見出した。
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Research Products
(1 results)