2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11448
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 飛鳥 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 沈み込み帯 / 付加体 / 断層岩 / 鉱物脈 / 四万十帯 / 南海トラフ / IODP / 地震発生帯 |
Research Abstract |
平成19年度は以下の研究を行った. 1.四国四万十帯牟岐メランジュに関するこれまでの研究結果をまとめ,論文として発表した.牟岐メランジュのスラストシート基底断層において,流動化した断層岩と鉱物脈の両方を記載し,鉱物脈の流体包有物分析から断層の摩擦発熱量を定量した.また同位体分析からは,断層運動に関連した鉱物脈の起源流体を推定した.これらの結果のうちEarth and Planetary Science Letters誌およびGeology誌に受理され印刷済みのものが2本,Earth and Planetary Science Letters誌において査読中のものが1本ある. 2.米国アラスカ州Kodiak付加体にて平成18年度に採取した断層岩の薄片作成・記載,SEM・EPD・XRDによる観察・分析を行った.その結果,断層岩は厚さ2mm程度の超細粒化した層の集合体から成り,内部および周辺に鉱物脈は見られないことが判明した.これは四万十帯で見られる沈み込み帯断層岩の産状とは全く異なっている.成果の一部を地震学会にて発表した. 3.九州四万十帯延岡衝上断層および北川層群の野外調査を行い,構造データを取得し岩石サンプルを採取した. 4.九州四万十帯延岡衝上断層の断層岩および鉱物脈の同位体組成分析・化学組成分析を行った.その結果,断層面を充填する鉱物脈はアンケライトから成り内部にFe/Mg比の差による組成累帯構造が見られること,断層に斜交する鉱物脈は石英および方解石から成ることがわかった,成果の一部は地球惑星科学連合大会・地質学会で公表し,現在論文投稿準備中である. 5.IODP NanTroSEIZE Expedition 316にStructural Geologistとして乗船し,コア記載および微細組織観察を行った.
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