2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11629
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤川 雄太 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | がん / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
大腸癌のような粘膜がんは現在、内視鏡を用いた早期診断が行われている。この方法は主に白色光下での内視鏡医の目視によるもので、医師の経験に左右される見落としがあり得ることが大きな問題となる。これに対し、蛍光を用いた方法は感度が良く微小な病変部を検出するのに非常に有用であるが、現在臨床研究されている蛍光内視鏡法では、検出までに時間がかかること・光過敏症などの副作用といった問題点を抱えている。そこで本研究ではこのような問題を解決するために、蛍光を用いた簡便な早期がん診断のツールとしての新しい蛍光プローブを開発することを目的とした。大腸癌における前癌病変Aberrant Clypt Foci(ACF)では薬物代謝酵素であるGlutathione-S-transferase(GST)が過剰発現していることが知られている。そのためGST活性を蛍光検出できれば前癌病変ACFを可視化できるのではないかと考え、GST活性検出蛍光プローブの開発研究に着手した。既存のHPLC用GST蛍光基質の構造を元にいくつかの構造を探索したところ、既存の基質に比べて格段に優れた反応性を有する合成GST基質を発見した。この結果に基づいて、GST触媒活性により強蛍光性となるOFF/0N型蛍光プローブDNAFsおよびDNAT-Meを開発した。蛍光顕微鏡および内視鏡下での観察に有効な可視光領域に蛍光波長を有するGST活性検出プローブの報告はこれまでに報告が無い。また、これまで知られているものとは全く異なる発蛍光性メカニズムに基づいた点においても化学的にも非常に価値があるものと言える。このプローブを用いた生細胞GST触媒活性検出および大腸癌モデルラットの摘出大腸におけるACF病変の可視化にも成功した。これらの結果は現在投稿準備中である。今後はこの化合物を用い、大腸内視鏡下でのACFの可視化を行うと共にプローブの構造最適化を検討する予定である。
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[Presentation] Development of fluorescence probe for diagnosis of cancers in early stage2007
Author(s)
Yuuta Fuiikawa, Yasuteru Urano, Hirotatsu Kojima, Koki Morishita, Akira Hasegawa, Koichi Karaki, Hirofumi Matsui, Yoshinori Harada, Tetsuro Takamatsu, Tetsuo Nagano
Organizer
Joint Molecular Imaging Conference
Place of Presentation
Providence,Rhode Island,USA
Year and Date
2007-09-09
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[Presentation] 早期がん診断を可能にする蛍光プローブの開発2007
Author(s)
藤川 雄太, 浦野 泰照, 小島 宏建, 松井 裕史, 森下 弘靖, 長谷川 晃, 唐木 幸一, 原田 義規, 高松 哲郎, 長野 哲雄
Organizer
産学官連携を指向した最前線セミナー分子細胞イメージングと疾患・創薬研究
Place of Presentation
東京
Year and Date
2007-07-11
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