Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARBOSA A. 国立フィリピン博物館, 民族学人類学局長代理
遠藤 央 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (10211781)
玉置 泰明 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (90192640)
堀江 俊一 中京女子大学, 人文学部, 助教授 (50190244)
片山 裕 神戸大学, 大学院国際協力研究科, 助教授 (10144403)
馬淵 悟 北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (50209681)
依田 博 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (50093539)
喜多村 正 島根大学, 法文学部, 教授 (60101185)
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Research Abstract |
台湾では,堀江が新竹県鎮西鎮において,義民節の儀礼と祭りの執行組織と地方政治について調査した。馬淵は,花蓮県において,kakitaanと呼ぶ男子年齢階梯制を基礎とした,伝統的な長老階梯による村落支配と,里長という行政組織の長による村落支配の相互関係について政治人類学的な調査を行った。フィリピンでは,合田が,ボントックの平和同盟制度と地方政治の関係,イフガナにおける,選挙と地方リーダーの形成過程について調査した。玉置は,ケソン州のネグリト系の先住民ドゥマガットとアエタについて,平地の多数民族であるタガログやビコラ-ノとの関係に焦点を当てながら,近代化の影響や社会統合様式の変化について開発人類学的な調査を行った。片山は,イロイロ州パナイ島において,地方自治体の担当官を対象として工業団地の設置など,近代化の影響と地方政治の変化について聞き取り調査を行った。バルボサは,レイテ州ビリラン島において,漁民の社会構造と地方政治について,特に漁業をめぐる地方有力者の形成に焦点をおいて調査した。インドネシアでは,喜多村が,ロンボク島,西ヌサトゥンガラ州東ロンボク県において,伝統的な儀礼位階制による貴族階層が,どこまで行政制度のなかにその支配を拡大しているかという点を,具体的な地方自治制度と地方リーダーの調査から明らかにした。マレーシアでは,遠藤が,ヌグリ・スビンラン州において,慣習的な土地権をめぐる,スルタンやチーフの政治的権力と,国民国家による統治との対立,イスラム原理主義による母系的な伝統的社会構造に対する批判の動きなど,伝統と近代化や宗教改革の動きとの関連について調査した。依田は,ヌグリ・スビンラン州において,放棄された灌漑水田の,州政府による再開発計画と,それに対する地方リーダーの政治的動向について聞き取り調査を行った。
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