1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07041027
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
真田 康道 佛教大学, 文学部, 教授 (90066415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岳 峰 新疆文化庁文物処, 処長
沙比堤 新疆博物館, 研究員
近藤 知子 京都埋蔵文化財研究所, 研究員
于 志勇 新疆考古研究所, 副所長
中島 皆夫 (財)長岡京市埋蔵文化財センター, 調査員
高橋 照彦 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助手 (10249906)
高妻 洋成 奈良国立文化財研究所, 文部技官 (80234699)
吉崎 伸 京都市埋蔵文化財研究所, 研究員
田中 清美 大阪市文化財協会, 研究員
吉田 恵二 國學院大學, 文学部, 教授 (50138145)
伊東 隆夫 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (70027168)
田辺 昭三 京都造形芸術大学, 教授 (90068817)
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Keywords | 北方新遺跡 / 城郭跡 / N.5遺跡 / 浮彫の仏像 / 壁画 / N.13・N.14遺跡 / 工房跡 / ニヤ全体地図 |
Research Abstract |
平成8年度は、2期に分けて実施された。(1)夏期(8月)にウルムチの新疆文物考古研究所及び新疆博物館において既収集済み文物調査。(2)秋期(10〜11月)にニヤ遺跡に於ける調査、の2期調査である。 1.【ウルムチに於ける調査】昨年度発掘した墓地の埋葬品を中心とした既収集済み文物の調査であって、(1)木製品、(2)錦織物、(3)その他の文物、の3分野から調査を行った。ただし、棺や木製品の分析用サンプルについては、中国側の要請で直ちに日本に持ち帰れなかった。持ち帰りは次年度になる見通し。 2.【ニヤ遺跡における調査】今年度の現地調査は、(1)遺跡分布調査、(2)ニヤ遺跡全体の地図作製のための基礎的調査、(3)遺跡測量調査、(4)発掘調査の4分野からの調査を実施した。 (1)遺跡分布調査;i)ニヤ遺跡の北方45km地点でニヤ遺跡の年代を遡る青銅・石器時代の良質の文物の収集と、遺構の発見。ii)現在の尼雅河周辺で〈尼壌城址〉を住民の情報を中心に調査をしたが、明確な手がかりは得られず、次回に期待する。iii)詳しい分布調査が遅れていたニヤ最南端地域の分布調査を行い、新たな住居址と新墓地等、14の遺構を登録。さらに城郭跡ではないかと見られる遺構の発見。東西185m×南北150mをした城郭跡と推定される遺構で、中国隊が平板測量を行った。 (2)スポット衛生写真を元にしたニヤ遺跡全体の地図(10万分の1)を作成するための準備作業実施。次年度も継続調査予定。 (3)ニヤ遺跡の北端箇所の2個所の住居址〈N.13〉・〈N.14〉の実測(1/100)と、これらの建築跡の周辺に広範囲にわたって散在する生産工房址を中心とした遺構や、水田跡と思われる区画群・垣根・並木・ブドウ園など多くの遺構を実測(1/1000)。工房跡は、非常に広い範囲にわたって認められ、ニヤ遺跡の重要な特色と考えられるので今後も継続して調査する予定。 (4)N.5遺跡の発掘は、中国隊主導で実施された。昨年発掘した東側小堂于の周辺の建築物跡を発掘し、あらたに壁画を発見。また北側の僧坊と、西側の堂于を発掘した。特に西側の建物跡からは、主柱付近で4片の木材の表裏両面に浮き彫りされた仏像、計8体を収集。これらの浮き彫りの中には、墨で仏の輪郭が描かれているのが、かすかに確認されるものもある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 真田 康道: "幻のオアシス国《尼雅》を探索する" 日中浄土. 第8号. 20-26 (1996)
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[Publications] 日中共同尼雅遺跡学術調査隊編: "日中共同尼雅遺跡学術調査報告書 第一巻" 法蔵館, 410 (1996)
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[Publications] 日中共同尼雅遺跡学術調査隊編: "日中共同尼雅遺跡学術調査報告書 第二巻" (1998(予定))