1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07041044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村山 良之 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10210072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 秀明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30173909)
平野 信一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10228801)
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Keywords | 1990年ルソン地震 / 地震災害 / 土地条件 / 液状化 / 活断層 / 移転 / 援助 |
Research Abstract |
1.La Union州南部の海岸部(a)とNueva Ecija州北部の山間部(b)を中心に、被害を町(municipality)または村(barangay)単位で把握した。(a)には大規模な液状化に伴う地盤の沈下によって、(b)には地震とその後の降雨による斜面崩壊と谷底部の埋積によって、全部または一部が移転を余儀なくされた集落が認められた。 2.(a)の海岸低地については、被害分布が地形とかなり対応することが確認された。 3.(b)では、集落の地形的位置が被害の種類や軽重に強く影響したことが明らかなった。 4.(b)のうち、Piut村では、隣村の国道沿いの空地に集団をなして移転した。移転先の土地の使用権について現在係争中である。一方政府機関と赤十字によって、被災者のために新集落が建設されたが、Piutの人々は生計を立てる方法がないと入居を断った。他の入居者の一部も同じ理由で入れ替わり、その後定住する者が増えてインフラも整備された。また、(a)で移転を余儀なくされた集落のうち、Alaska村とNarvacan村では、ともに約半数の家族は村外に移動し、Dulao村とRaois村では、各々村内に新たな集落を作った。一方、Alaska村とNarvacan村などの被災者のために、各々の町に政府機関によって新集落が建設されたが、二つの村からの移転者数は予定数を下回っている。被災者は、漁業のしにくさ、交通の不便などを指摘し、土地選定に不満である。 5.(a)と(b)の事例から、共通点を指摘できる。第一に、政府機関による新集落は、ひどい被災者ながらそこに移転しない者もあり、災害援助としては成功とはいえない部分がある。入居が拒まれる理由としては、生計手段の欠如と交通の不便が共通にあげられる。第二に、これとは反対に、被災者自らが移転した場所は、上記の条件が考慮された場所である。ただし、土地の使用権をめぐって係争中の場所や立ち退きを迫られている場所もある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Murayama,Yoshiyuki: "The Ground Conditions and the Damage Caused by 1990 Luzon Earthquake in the Southern Part of La Union." The Science Repors of the Tohoku University,7th Ser. (Geogr.).
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[Publications] Murayama,Yoshiyuki: "The Rehabilitation Process after 1990 Luzon Earthquake." The Science Repors of the Tohoku University,7th Ser. (Geogr.). 46. 1-12 (1996)