1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07041054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中田 実 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (70023611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ケオマノータム マリー 宇都宮大学, 教養部, 講師 (30241855)
山崎 仁朗 名古屋大学, 文学部, 助手 (40262828)
牧田 実 福島大学, 教育学部, 助教授 (20229339)
河村 則行 名古屋大学, 情報文化学部, 講師 (30234131)
黒田 由彦 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (30170137)
米田 公則 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (50195864)
藤井 勝 神戸大学, 文学部, 助教授 (20165343)
小木曽 洋司 中京大学, 社会学部, 助教授 (00192451)
後藤 澄江 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (60247674)
宮本 益治 東海学園女子短期大学, 助教授 (00175621)
吉田 啓子 市邨学園短期大学, 教授 (70240281)
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Keywords | 住民組織 / 地域共同管理 / 結社型 / 代議型 / 協同組合型 / 住民自治 / 比較研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、住民組織の厳密な定義に基づいて多国間にわたる住民組織の比較研究を行うことによって、各国の住民組織の共通性と異質性を明らかにすることである。とりわけ住民組織が担っている共通の社会的機能を析出することによって、住民による地域資源の自治的管理が普遍的に見いだしうるものであることを明らかにしたいと考えた。 本研究では、対象とする住民組織を、(1)一定の区画を排他的に占有し、(2)その地域と住民を代表することを住民および行政によって認められているもの、と定義した。調査対象は、中国、韓国、タイ、フィリピン、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデンの10カ国である。 現地調査を行った結果、上で定義したような住民組織が存在すること、そして住民組織が地域資源の管理という社会的機能を共通に有していることを、調査対象の10カ国において確認することができた。 しかし、当該国家の政治システムにおいて住民自治がどのように位置づけられているかが異なること、その結果として地方行政制度が国によってきわめて多様であることから、住民組織もまた多様な形態をとることが確認された。当初の作業仮説は、住民組織は(1)結社型、(2)代議型、(3)協同組合(ないし教会)型という3つの類型に分かれるというものであった。今年度の調査から判断するかぎり、当初の仮説はほぼ支持された。しかし、今年度の調査だけで最終的な結論を出すのは危険なので、来年度の調査の後に判断を下そうと思う。 また地域共同管理機能の点で共通性があるにも関わらず、規模、行政機関との関係、合議・執行・紛争処理に関する権限、住民の包摂の度合い等の点で、各国の住民組織の間でかなりの差異が存在することが明らかとなった。その差異が何に由来するのかを来年度の調査で追求したい。
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