1995 Fiscal Year Annual Research Report
先カンブリア〜カンブリア境界における同位体異常と堆積相,生物相の変遷に関する調査
Project/Area Number |
07041094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ハムディ B. イラン地球科学研究所, 教授
ウッシュマンド A. イラン地球科学研究所, 教授
狩野 彰宏 広島大学, 理学部, 助手 (60231263)
角和 善隆 東京大学, 教養学部, 助手 (70124667)
吉田 鎮男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50011656)
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Keywords | イラン / エルブールズ / 先カンブリア系 / 先カンブリア-カンブリア境界 / 炭酸塩岩 / 石炭系 / 周期堆積 / エディアカラ動物群 |
Research Abstract |
1、イラン地球科学研究所との学術交流協定の締結。 国際学術研究としてイラン地質調査所および地球科学研究所との共同野外調査を始めるにあたって、東京大学と地球科学研究所との間の学術交流に関する包括的な協定を締結した。それぞれ、総長と研究所長が署名した。これにより、今後少なくとも5年間、人的交流をふくむ学術交流の基礎が出来た。なお、この協定に基づき96年1月にイラン側より文部省奨学生として交換学生が来日し、研究代表者(松本)のもとで研究をはじめている。 2、エルブールズ地域の共同調査。 95年9月-10月に上記学生もふくめ、標記地域で野外地質調査と分析用試料の採取を行った。今回は、特に最下部カンブリア系の精査とデボン〜石炭系の予備調査に焦点を絞った。デボン系からは著しく有機物に富む黒色頁岩とスコリア岩片を含む古土壌層が発見された。石炭系の層状石灰岩は1m未満および数10mの2つのオーダーの堆積周期を示し、後者は、炭素同位体組成変動と同調していることが分かった。黒色頁岩層準では著しい負の異常が確認された。これは、後期デボン紀におけるグローバル変動を記録するものかもしれない。 3、ケルマン地域の調査。 96年1月-2月に中部イランのケルマン地域において、先カンブリア系最上部と下部〜中部古生界を対象とした調査を行った。ここでは、エルブールズには分布しないエディアカラ動物群化石の採取、非石灰岩相シルル系〜デボン系の精査と試料採取を完了した。又、この地域に石灰系、ペルム系が良好に露出していることが分かったが、天候悪化のため調査を断念、これらは次年度以降の調査対象に加えることとした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Matsumoto, R.: "Preliminary results of paleomagnetic study on the Cambrian to the Triassic rocks from the Alborz, northeast Iran." Jour. Fac. Sci., Univ. Tokyo. 22. 234-249 (1995)
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[Publications] Kimura, H.: "Explosion" was initiated by breakup of ocean stratification." Geology. (1996)
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[Publications] 松本 良: "イラン中部、下部カンブリア系デズ層の溶解崩壊(Solution Collapse)." 地質雑. 101. XXI-XXII (1995)
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[Publications] 松本 良: "炭酸塩のS^<13>C異常の要因と新しいパラダイム「ガスハイドレート仮説」" 地質雑. 101. 902-924 (1995)
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[Publications] 狩野 彰宏: "気候期と炭酸塩プラットフォームの特徴" 地質雑. 101. 866-877 (1995)