1996 Fiscal Year Annual Research Report
海洋環境に与える東アジア河川の物質流入に関する調査研究
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07041097
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| Research Institution | Ocean Research Institute, University of Tokyo |
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Principal Investigator |
野崎 義行 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70126142)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 明男 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80107458)
大田 啓一 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (80022250)
天川 裕史 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60260519)
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| Keywords | 長江 / 重金属 / 河口域 / チャオプラヤ川 / インジウム / 希土類元素 / ICP質量分析 |
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| Research Abstract |
本研究は、東アジア河川からの物質流入が海洋環境に与える影響を評価する目的で調査研究を行った。なかでも長江をはじめとする中国河川では、当初中国科学院青島海洋研究所の調査船「金星2号」を用いて日中共同調査を行う予定であったが、海洋調査に関する中国政府の方針に変更があり、陸からの現地予備調査を行った以外は実施できなかった。これは、これまで中国科学院の判断で実施されてきた海洋調査に関して、1995年より国家海洋局(SOA:The State of Ocean Administration)の許可を必要とすることとなり、中国側研究者にとってもその手続き関係に不慣れのためかなりの時間を必要としたためである。
そこで第2のターゲットであった東南アジア域のチャオプラヤ(メナム)川河口域において、平成8年2月、7月、および11月の3回にわたって現地調査を実施した。とくにチュラロンコン大学Anond Snidjongs博士の協力の下に、バンコクの東南アジア水産開発センター(SEAFDEC : Southeast Asian Fisheries Development Center)を拠点として、漁船をチャータ-し、チャオプラヤ川およびタイ湾でのサンプリングを行い、得られた海水試料の濾過や堆積物の分画を行って持ち帰った。その試料を用いて、希土類元素、インジウムなどの微量元素をICP質量分析計を用いて測定し、本邦河川と比較して興味ある結果を得た。その一部はすでに国際学術誌(Earth and Planetary Science Letters)に掲載予定になっている。
また、タイ研究者との協力関係ができたことにより今後さらにタイ湾海水の交換過程や、微量元素の河口域における挙動に関する研究を今後発展させるための基盤ができたことも成果の一つとして挙げられる。
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