1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07044021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 俊男 北海道大学, 文学部, 教授 (80158089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEVI Margare ワシントン大学, 政治学部, 教授
KOLLOCK Pete カリフォルニア大学, ロスアンジェルス校・社会学部, 助教授
山岸 みどり 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (20211625)
亀田 達也 北海道大学, 文学部, 助教授 (20214554)
COOK Karen S デューク大学, 社会学部, 教授
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Keywords | 信頼 / コミットメント / 社会的不確実性 / 内集団ひいき / 機会費用 / 取引費用 / 集団主義 / 社会的ジレンマ |
Research Abstract |
平成8年度の目標は、7年度の研究成果にもとづいて提唱された信頼発展の認知資源投資モデルを検証するための一連の実験を行い、その結果を理論にフィードバックすることにあったが、8年度の研究成果はこの目標の達成に向けて大きな貢献をなすものであった。このモデルの概要は以下の通りである。機会コストが高い社会では新しい相手とのつき合いないし取り引きを行うことで高い利益をえるストラテジーが成功するためには、相手の人間性を評価するための情報処理に認知資源を投資すると同時に、そのような能力の向上を図るためのスキル獲得のためにも認知資源を投資する必要がある。このような投資を行う人間は、与えられた情報に敏感に反応するだけではなく、実際に相手の信頼性の程度をより正確に判断できるようになるため、相手の人間性のデフォルト予測値=他者一般に対する一般的信頼は高く保っつことができる(いざという時には判断を急速に修正できるため)。これに対してこのような投資を行っていない人間は急速な判断の修正が困難であり、したがって騙されてひどい目に遭わないためには、他者一般に対する信頼をはじめから低く押さえておく必要がある。8年度の実験研究により明らかにされた主要な点は、このモデルにより記述されているプロセスが、集団主義文化としての認知特性および社会関係の特性間の均衡を生み出しているという点である。この点の理解にもとづき、また7年度に日本で行われた実験、また8年度に日米共同で行われた実験の結果をもとにして、信頼発達と社会関係の特性の出現との間の関係を分析するためのコンピュータ・シミュレーションのプロトタイプが作成された。現在、このシミュレーション・プログラムの改良作業が進行中である。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] 共著:渡部幹、寺井滋、林直保子、山岸俊男: "「互酬性の期待にもとづく1回限りの囚人のジレンマにおける協力行動」" 実験社会心理学研究. 36(2). 183-196 (1996)
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[Publications] 共著:林直保子、山岸俊男: "「"非合理的"協力行動の社会関係的基盤-選択的プレイパラダイムのもとでの実験研究-」" 心理学研究. (印刷中).
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[Publications] 共著:渡邊席子、山岸俊男: "「"False Consensus"が"False"でなくなるとき-1回限りの囚人のジレンマを用いた実験研究-」" 心理学研究. (印刷中).
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[Publications] 共著:垣内理希、山岸俊男: "「一般的信頼と依存度選択型囚人のジレンマ」" 社会心理学研究. (印刷中).
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[Publications] 共著:菊地雅子、渡邊席子、山岸俊男: "「他者の信頼性判断の正確さと一般的信頼-実験研究-」" 実験社会心理学研究. (印刷中).
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[Publications] 共著:高橋伸幸、山岸俊男: "「利他的行動の社会関係的基盤」" 実験社会心理学研究. 36(1). 1-11 (1996)
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[Publications] 共著:山岸俊男、渡部幹、林直保子、高橋伸幸、山岸みどり: "「社会的不確実性のもとでの信頼とコミットメント」" 社会心理学研究. 11(3). 206-216 (1996)
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[Publications] 共著:清成透子、山岸俊男: "「コミットメント形成による部外者に対する信頼の低下」" 実験社会心理学研究. 36(1). 56-67 (1996)
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[Publications] 共著:山岸みどり、小杉素子、山岸俊男: "「国際比較質問紙調査における黙従傾向統制のための方法」" 社会心理学研究. 12(1). 33-42 (1996)
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[Publications] 共著:神信人、山岸俊男、清成透子: "「双方向依存性と"最小条件パラダイム"」" 心理学研究. 67(2). 77-85 (1996)
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[Publications] 共著:Toshio Yamagishi & Midori Yamagishi: "Trust and commitment as alternative responses to social uncertainty. In Mark Frunin (ed.),Network and Markets : Pacific Rim Investigations" Oxford University Press.(印刷中),
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[Publications] 共著:Toshio Yamagishi,Nobuhito Jin & Alan S.Miller: ""In-group favoritism and culture of collectivism." Uichol Kim,Hai-Sook Kim,Keum-Joo Kwak (Eds.) The Post-Modern Psychology : East Asian Perspectives." Hana Medical Publishing company : Seoul,Korea.(印刷中),
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[Publications] Toshio Yamagishi: "Trust and cooperation. In A.Kuper & J.Kuper (eds.),The Social Science Encyclopedia,2nd Ed." London : Routledge.(印刷中),
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[Publications] 山岸俊男: "「信頼と関係形成-比較『文化』的視点-」 大渕憲一(編)紛争解決(現代応用心理学講座第3巻)" ナカニシヤ出版.(印刷中),
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[Publications] 山岸俊男: "「社会的交換の理論 中島義明(編)現代心理学事典" 朝倉書店.(印刷中),
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[Publications] 共著:Toshio Yamagishi & Nahoko Hayashi: "Selective play : Social embeddedness of social dilemmas.Pp.363-384 in W.B.G.Liebrand & D.M.Messick (Eds.),Frontiers in Social Dilemma Research." Berlin : Springer-Verlag., (1996)
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[Publications] 共著:Karen S.Cook,Shawn Donnelly & Toshio Yamagishi: ""Information effect,latent paths,and the distribution of power in exchange networks" In John Skvoletz and Jacek Smatzka (eds.).,Status,Network,and structure : Theory construction and theory development." Stanford University Press.(印刷中),
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[Publications] 山岸俊男: "「社会心理学-心と社会のダイナミックな関係」相場覚(編)心理学入門" 放送大学教育振興会(印刷中),