1996 Fiscal Year Annual Research Report
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07044028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 正寛 (奥野 正寛) 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40114988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAGUNOFF Rog ジョージタウン大学, 経済学部, 助教授
WRIGHT Randa ペンシルヴァニア大学, 経済学部, 準教授
MAILATH Geor ペンシルヴァニア大学, 経済学部, 準教授
松山 公紀 ノースウェスタン大学, 経済学部, 準教授
ANDREW Postl ペンシルヴァニア大学, 経済学部, 教授
青木 昌彦 スタンフォード大学, 経済学部, 教授
松島 斉 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00209545)
神取 道宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10242132)
松井 彰彦 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (30272165)
金子 守 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40114061)
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Keywords | 限定合理性 / 社会規範 / 進化論 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
本年度は昨年度で得られた成果を踏まえ、研究の深化および発展が見られた。昨年同様、これを活動およびそれを通じて得られた成果に分けながら述べることとする。 まず、ポストルウェイト教授およびライト教授が別資金を用いて来日した。これはこの研究領域に対する米国側の意気込みを示しており、今後とも良好な協力関係を期待できる。また7・8月には神取・金子が米国の国際会議に出席した。これらのコンファレンスのテーマの一部は進化論的ゲーム論および限定合理性に割り当てられた。この分野は現在世界的にも注目されており、その中で我々日本の研究グループが果たす役割が広がっている。今年度最も重要な活動は(日々の研究活動を除けば)11月のペンシルバニア大学での限定合理性をテーマとした国際会議の開催である。この会議には我々日本側米国側の研究グループの他にも数多くの研究者が集まり、活発な討議がなされた。これらの交流を通じて研究が進みつつあり、その一層の発展が拘束されている。 以下に本年度我々によって始められた研究の一端を紹介しておく。これまでの伝統的なゲーム理論ではゲームの構造に関する先験的な知識に基づいて各プレーヤーが行動を決定するとされる(演繹)。これに対し、我々の研究の当初の目的の1つは限定合理的な主体の行動の進化を分析する事であった(淘汰)。これに加え、多くの討論を通じて、経験からモデルに関するイメージをプレーヤー自身が組み立てるという行為も重要であることが分かった(帰納)。この帰納のプロセスを付け加えることによって経済学ではこれまで扱えなかった問題-例えば誤った世界像としての偏見の問題や民族間の世界像の違いなどが分析できることが期待されている。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Hideki Konishi: "Competition through Endogenized Tournaments : An Interpretation of the ′Face-to Face′ Competition" Journal of the Japanese and International Economies. 10. 199-232 (1996)
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[Publications] Masahiro Okuno-Fujiwara: "Toward A Comparative Institutional Analysis of Government Business Relationship" M.Aoki,H-K.Kim and M.Okuno-Fujiwara (eds.),The Role of Government in East Asian Economic Development : A Comparative Institutional Analysis. 373-406 (1996)
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[Publications] Michihiro Kandori: "Evolutionary Game Theory in Economics" Kreps and Wallis (eds.),Advances in Economics and Econometrics : Theory and Applications,Vol.1. 243-277 (1997)
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[Publications] Michihiro Kandori: "Bandwagon Effects and Long Run Technology Choice" Games and Economic Behavior. forthcoming. (1997)
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[Publications] Michihiro Kandori: "Private Observation,Communication and Collusion" Econometrica. (forthcoming). (1997)
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[Publications] 松島斉: "メカニズム・デザインのゲーム理論-均衡の一意性と再交渉の可能性を巡って-" 経済学論集. 62(1). 2-12 (1996)
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[Publications] Masahiko Aoki: "Beyond the East Asian Miracle : Introducing the Market Enhancing View" M.Aoki,H-K.Kim and M.Okuno-Fujiwara (eds.),The Role of Government in East Asian Economic Development : A Comparative Institutional Analysis. 1-37 (1996)
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[Publications] 青木昌彦(編): "経済システムの比較制度分析" 東京大学出版会, 353 (1996)
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[Publications] Masahiko Aoki (ed.): "The Role of Government in East Asian Economic Development : A Comparative Institutional Analysis" Oxford University Press, 419 (1996)