1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07044037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 浩士 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70026780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 興国 遼寧大学, 日本研究所, 教授
劉 立善 遼寧大学, 日本研究所, 副教授
劉 含発 吉林師範学院, 歴史学部, 講師
衣 保中 吉林師範学院, 古籍研究所, 教授
黄 定夫 黒龍江省社会科学院, 歴史研究所, 教授
梁 玉多 黒龍江省社会科学院, 歴史研究所, 講師
山室 信一 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10114703)
森 久男 愛知大学, 経済学部, 教授 (00278219)
村上 勝彦 東京経済大学, 経済学部, 教授 (60096451)
玉 真之介 弘前大学, 農学部, 助教授 (20183072)
田中 学 東京大学, 農学部, 教授 (70012028)
坂下 明彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (70170595)
川村 湊 法政大学, 第一教養部, 教授 (70224855)
我部 政男 山梨学院大学, 法学部, 教授 (90045188)
井村 哲郎 アジア経済研究所, 地域研究部, 主任調査研究員
蘭 信三 京都大学, 留学生センター, 助教授 (30159503)
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Keywords | 満蒙開拓団 / 満州移民 / 満州国 / 五族協和 / 残留孤児 / 侵略 / 植民地 / 在「満」朝鮮人 |
Research Abstract |
長野県飯田市およびその近郊から,中国吉林省水曲柳鎮,黒龍江省各地などへ送り出された「満蒙開拓団」の入植地における中国側農民からの聞きとり調査をさらに進めることによって,日本人農民と中国人農民との日常生活レベルにおける関係の実態が,かなりの程度まで具体的に明らかになった。敗戦後に日本へ引揚げた旧開拓団の生存者たちからの聞きとり調査で得られたデータとつきあわせることで,固有名詞をもった個々の人間の個人史を掘りおこし、国策としての「満蒙開拓団」に参加した庶民の姿を国家社会の歴史のなかに位置づける作業に見通しがついたことは、今年度の最大の成果である。さらに、とりわけ稲作(水田)との関連で「満蒙開拓団」と深い関係をもった在「満州」朝鮮族,および朝鮮人「満蒙開拓団」については、従来ほとんど研究に着手されてこなかったが、本年度の研究では、中国側の研究協力者として朝鮮族の研究者を加えることによって,未開拓のこの分野に初めて踏み込むことができた。日本の歴史のみならず東アジアの近現代史にとっても大きな意味をもつこのテーマを本格的に究明するため、次年度では韓国の研究分担者を加え、日・韓・中の三国による共同研究態勢をとる必要があることも、今年度の研究を通じて明らかとなった。フィールドワーク調査および聞きとり調査の結果を文献資料のデータと対比検討する作業も進んでおり、それらを整理し、次年度の調査のための指針とするため、中間報告冊子を作成することができたのも、今年度の重要な成果のひとつだった。
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Research Products
(31 results)
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[Publications] 田中 学: "昭和恐慌下の下伊那農村-満州移民送出母村の社会・経済的背景-" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 16-20 (1997)
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[Publications] 玉真之介: "満州への北海道農法の導入-その経緯と論点-" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 21-31 (1997)
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[Publications] 坂下明彦: "水曲柳鎮における農業展開-3つの聞き取り調査の抜き書き-" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 32-37 (1997)
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[Publications] 井村哲郎: "中国東北の満州関係資料" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 109-115 (1997)
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[Publications] 池田浩士: "文学に描かれた満蒙開拓団の生活と文化-湯浅克衛の作品にそくして-" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 130-138 (1997)
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[Publications] 川村 湊: "ワタクシドモハ マンシウノ コドモデス-父と子の「満州」-" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 139-147 (1997)
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[Publications] 劉 含発: "日本移民政策による中国東北農民への悪影響" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 38-48 (1997)
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[Publications] 梁 玉多: "現地調査によって分かる日本人移民と中国農民との関係" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 49-59 (1997)
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[Publications] 衣 保中: "中国東北農業史的な視角から見る日本農業移民" 「満蒙開拓団の総合的研究」-母村と現地-研究中間報告論文集. 60-79 (1997)
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[Publications] 池田 浩士: "火野葦平論(1)-〔海外進出文学〕論・第1部" インパクション. 97号. 106-121 (1996)
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[Publications] 池田 浩士: "火野葦平論(2)-〔海外進出文学〕論・第1部" インパクション. 98号. 136-160 (1996)
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[Publications] 池田 浩士: "火野葦平論(3)-〔海外進出文学〕論・第1部" インパクション. 99号. 155-176 (1996)
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[Publications] 池田 浩士: "火野葦平論(4)-〔海外進出文学〕論" インパクション. 100号. 144-156 (1996)
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[Publications] 井村 哲郎: "「満州」関係歴史資料と「満州」研究" 環日本海研究. 2号. (1996)
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[Publications] 井村 哲郎: "中国東北の档案館所蔵の戦前期日本関係文書" 「記録資料の情報資源化と史料管理学の体系化」中間報告書(国立国文学資料館・史料館). (印刷中). (1997)
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[Publications] 井村 哲郎: "1940年代の中国東北関係資料" 1940年代の東アジア文献解題(アジア経済研究所). (印刷中). (1997)
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[Publications] 坂下明彦: "中国東北農民の生産と経済-農家記帳調査の分析(吉林省水曲柳鎮調査 その3)" 北海道大学「農経論叢」. 53集. 79-97 (1997)
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[Publications] 坂下明彦: "農政の新段階と農業組織再編-北海道水田地帯の農協の対応-" 北海道農業経済研究. 4巻2号. 16-23 (1996)
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[Publications] 田中 学: "アジア環境保全への取り組み" 平和経済. 412号. 2-3 (1996)
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[Publications] 田中 学: "アジア諸国の経済発展と日本の役割" 景気観測. 844号. 3-3 (1997)
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[Publications] 玉真之介: "農地制度と家族制度による日本農業論の再構成" 村落社会研究. 3巻1号. 9-20 (1996)
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[Publications] 玉真之介: "「満州移民」から「満蒙開拓」へ" 弘前大学経済研究. 19号. 61-74 (1996)
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[Publications] 村上勝彦: "シ-サンパンナにおける開発と保護をめぐって" 東京経済大学会誌. 199号. 15-70 (1996)
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[Publications] 川村 湊: "「大東亜民俗学」の虚実" 講談社, 250 (1996)
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[Publications] 池田 浩士: "〔海外進出文学〕論・序説" インパクト出版会, 394 (1997)
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[Publications] 井村哲郎(編): "満鉄調査部・関係者の証言" アジア経済研究所, XX+830 (1996)
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[Publications] 井村哲郎(編): "1940年代の東アジア・文献解題" アジア経済研究所(印刷中), (1997)
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[Publications] 田中 学(共著): "環境保全型農業とはなにか(熊沢喜久雄・他と共著)" 農林統計協会, 315 (1996)
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[Publications] 田中 学(共著): "東南アジア開発における土地に対する諸権利と土地利用(重富真一・他と共著)" アジア経済研究所(印刷中), (1997)
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[Publications] 村上勝彦(共著): "1940年代の東アジア・文献解題" アジア経済研究所, 350 (1977)
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[Publications] 森 久男(共著): "変わる食料・農業政策" 大明堂, 269 (1996)