1996 Fiscal Year Annual Research Report
北アナトリア断層帯西地域の地震活動予測に関する総合的研究
Project/Area Number |
07044071
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本蔵 義守 東京工業大学, 理学部, 教授 (00114637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAZAKIーCAKIN オー ボアージチ大学, 助手
MALIN S.M.C ボアージチ大学, 教授
PINAR A. ボアージチ大学, 助手
UCER S.B. ボアージチ大学, 助教授
GURBUZ G. ボアージチ大学, 教授
ISHIKARA A.M ボアージチ大学, 教授
松島 政貴 東京工業大学, 理学部, 助手 (20242266)
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30152078)
伊東 明彦 宇都宮大学, 理学部, 助教授 (70134252)
大志万 直人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70185255)
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Keywords | トルコ / 北アナトリア断層 / 地震空白域 / 活断層 / 地震 / 震源過程 / 地磁気 / 地電流 |
Research Abstract |
(1)地震観測に関しては、空白域の微小地震活動様式を調べることを目的としたテレメータ方式による地震観測網を設置し、概ね順調に地震観測が行われていたのであるが、いくつかの観測点では計器の不調のため、その修理に多大な労力を必要とした。また、これまでの観測網では地震空白域内の微小地震検知能力が不十分であったため、さらに観測点を増設する必要があった。現在では10点で連続観測が行なわれており、空間的に均質な地震活動が把握できるようになっている。例えば、これまで地震が少ないと云われていた活断層近傍にも微小地震が発生していたり、ある特定の場所のみに地震が多発するという特徴的なパターンが見つかるなど、貴重な情報が得られている。 (2)地震の震源過程の研究を進めているが、本研究の観測地域となっている地震空白域で起こった最後の大地震である1967年ムドゥルヌ地震の震源過程を調べた。この地震は北アナトリア断層に沿う典型的な横ずれ断層と思われていたが、実際には震源過程は複雑で、正断層成分を持つ領域、逆断層成分を持つ領域などが混在していることがわかった。とくに、この地震の震源域の西端はその隣りの地震空白域との関連で非常に重要であるが、ここでは正断層成分が卓越していることがわかった。この情報は、近い将来予想される地震の発生様式を推定する際に非常に重要となる。現に、予想される震源域は北側の活断層帯というよりは、南側のイズニック-メケジェ断層になる可能性が高いことが示唆されている。 本年度は、トルコ側研究者2名を招へいした。我国滞在中に、北海道で開かれた第13回地球内部電磁誘導研究集会に参加し、本研究で得られた地電位データの解析結果を発表した。また、地震観測網の充実のために日本側研究分担者1名を派遣し、地震計のグレードアップ、テレメータ装置の調整等を行なった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Pinar,M.Kikuchi and Y.Honkura,: "Rupture patterns of the large earthquakes in Turkey and their implications for seismotectonics" Phys.Earth Planet.Interiors. (発売予定).
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[Publications] A.Pinar,Y.Honkura and M.Kikuchi,: "A Rupture model for the 1967 Mudurmu Valley,Turkey earthquake and its implication for seismotectonics in the western part of the North Anatolian Fault Zone" Geophys.Res.Lett.23. 29-32 (1996)
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[Publications] S.Baris,B.Ucer,A.Ito,N.Kafadar,H.A.Alcik,A.Pinar,C.Gurbuz,Y.Honkura and A.M.Isikara: "A local micro-earthquake network IZINET in the western part of the North Anatolian Fault Zone,Turkey" 地球惑星科学関連学会1996年合同大会予稿集. 340. (1996)
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[Publications] S.Sakanaka,N.Oshiman and N.Sumitomo,: "Numerical evaluation of seismomagnetic effect for fault models" Proc.13th Workshop of Electroma. 20-21 (1996)
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[Publications] S.Sakanaka,N.Oshiman and N.Sumitomo,: "Stability of the annual and semi-annual variations of the geomagnetic field" Proc.13th Workshop of Electromagnetic Induction in the Earth,. 73-74 (1996)