1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07044072
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 利明 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80251601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STEFFENS E. 原子核のマックスープランク研究所, 研究員
POVH B. 原子核のマックスープランク研究所, 所長
酒見 泰寛 東京工業大学, 理学部, 助手 (90251602)
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Keywords | スピン / 素粒子物理 / 核子 / 加速器 / レーザー / 電子 |
Research Abstract |
当国際共同研究は、核子(陽子と中性子)のスピン構造をさぐる研究でありその手段として、高エネルギーの電子ないしミューオンを核子で散乱させる方法を用いる。特に偏極した電子ないしミューオンと偏極した標的を用いるところが特徴である。 平成7年度には、ドイツ・ハンブルクで行なう実験HERMESの偏極気体標的^3Heが完成し、測定器に組み込まれ、HERAにおける内部標的として稼動し始めた。このようにして、平成7年夏には、世界で初めて、偏極気体内部標的を用いた深非弾性散乱の研究が実現した。 東工大グループはドイツ側共同研究者として協力して、HERMES実験のために、レーザーとフレネル・ゾーンプレートを用いた測定器位置アラインメントシステムを開発した。このような技術が実験に用いられるのは世界で初めてである。 日本国内では、柴田は組織委員長として国際シンポジウム「核子のスピン構造」を12月に開き、この分野の研究交流を図った。 ドイツ側共同研究者であるPovh教授の大学生向け教科書「素粒子・原子核物理」を柴田がドイツ語から日本語に翻訳しており近い出版の予定である。この分野の若手研究者の養成に寄与することができる。 以上をまとめると、共同研究は、新しい技術による実験をスタートさせることに成功し、来年度以降、更に物理学上の成果が得られると期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.A.Shibata: "Experiments on Spin-dependent Structure Funetions of the Nucleon" Proceedings of RIKEN International Symposium on Spin Structure of the Nucleon,World Scientific,1996. (印刷中).
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[Publications] 柴田利明,酒見泰寛 他: "HERMESによる核子のスピン依存構造関数の測定II" 日本物理学会講演概要集. 1. 30- (1995)
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[Publications] 酒見泰寛,柴田利明 他: "HERMESのためのレーザーを用いた測定器アラインメントシステムの開発II" 日本物理学会講演概要集. 1. 130- (1995)
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[Publications] 柴田利明,酒見泰寛 他: "HERMESによる核子のスピン依存構造関数の測定とハドロン同時計測" 日本物理学会講演概要集. 1(印刷中). (1996)
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[Publications] 柴田健司,酒見泰寛,柴田利明 他: "HERMESのためのレーザー・アラインメントシステムの画像解析" 日本物理学会講演概要集. 1(印刷中). (1996)
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[Publications] B.Povh et al.著 柴田利明 訳: "素粒子・原子核物理学" シュプリンガー・フェアラーグ東京(印刷中), 400 (1996)
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[Publications] 柴田利明・斉藤直人・太田滋生編: "Proceedings of International Symposium on Spin Structure of the Nucleon" World Scientific(印刷中), 100 (1996)