1996 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア域の赤道大気における積雲対流・大気波動の観測に関する共同研究
Project/Area Number |
07044082
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30115886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REID I.M. アデレイド大学, 物理数学学科, 講師
SOEGIJO J. インドネシア航空宇宙庁(LAPAN), 研究主幹
VINCENT R.A. アデレイド大学, 物理数学学科, 教授
WIRYOSUMARTO エイチ インドネシア航空宇宙庁(LAPAN), 長官
橋口 浩之 京都大学, 超高層電波研究センター, 特別研究員
足立 樹泰 京都大学, 超高層電波研究センター, COE非常勤研究員
渡辺 明 福島大学, 教育学部, 助教授 (70114006)
前川 泰之 大阪電気通信大学, 教授
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (40217857)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (20210560)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30183982)
佐藤 亨 京都大学, 工学部, 助教授 (60162450)
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
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Keywords | 赤道大気 / 積雲対流 / 境界層レーダー / 流星レーダー / 対流圏界面 / ケルビン波 / インドネシア域 / 大気波動 |
Research Abstract |
本研究では、東経130度付近で赤道をまたいだ位置関係にある日本・オーストラリア・インドネシアの3国の共同で、地球環境変化の動力源であるインドネシア域の赤道大気の振る舞いをレーダー・ラジオゾンデなどを用いて観測した。 本年度は、ジャカルタ郊外の観測所での境界層レーダーによる高度5kmまでの境界層および下部対流圏の風系・乱流強度、降雨エコー等の観測、および流星レーダーによる高度70〜110kmの風系・温度変動の観測を継続して行い、データを蓄積した。また、カリマンタン等の赤道直下ポンティアナにおいて昨年度より観測を開始した中波レーダーを用いて高度70〜100kmの風系を観測し、同時に雨季においてラジオゾンデを用いた高度35kmまでの温度、湿度等の集中観測を約2ケ月間行なった。 これらの結果は互いに比較する外、他のレーダー・ラジオゾンデ・衛星などの観測結果や客観解析データなどと比較を行なって観測精度の検証を行い、また単点観測では得られない水平構造の情報などを得て積雲対流の構造や大気波動の構造を研究した。 高度1〜2kmにおいて、風の東西成分にケルビン波的な構造をもつ超雲団の活動に関係する10日振動の卓越を、南北成分に混合ロスビー重力波あるいは西進する慣性重力波により変調された雲団の活動に関係する4日振動の卓越などを見出した。 また、高度70km以上の中間圏では赤道域特有の半年周期振動が強い2年周期変動を示すこと、大気潮汐波にも同様の年々変動が見られることなどの外、潮汐波、2日波、3日周期ケルビン波などの構造や年周変化とその運動量フラックス、30〜60日振動の卓越などを見出した。すなわち、赤道中層大気が予想以上に下層の大気の影響を受けていることを示す結果が得られた。
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