1996 Fiscal Year Annual Research Report
HeII中の放射性マイクロクラスターによる核物性研究
Project/Area Number |
07044086
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Research Institution | Osaka University, Graduate School of Science |
Principal Investigator |
高橋 憲明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HASS Michael ワイマツマン科学研究所, 教授
TRAUTMANN Wo GSI(核物理第3), 研究員
SCHMIDT Rudi ドレスデン工科大学, 教授
MUNZENBERG G GSI(核化学), 主任研究員
LYNEN Uli GSI(核物理第3), 教授
宮武 宇也 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (50190799)
藤田 佳孝 大阪大学, 理学部原子核施設, 助教授 (60093457)
下田 正 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70135656)
旭 耕一郎 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80114354)
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Keywords | 放射性ビーム / 短寿命核 / 核偏極 / 超流動ヘリウム / 不純物イオン / スノ-ボール / 氷球粒子 / 放射線検出法 |
Research Abstract |
平成8年度の研究実績をまとめると以下の通りとなる. その内容は,1)高速の放射性核イオンを超流動ヘリウムに打ち込みマイクロクラスター,氷球粒子を生成する.電場などによって氷球粒子を搬送しつつ,ベータ線検出法によってそれらを検出する.液体ヘリウム中の素励起密度の変化を創り出しつつ,寿命など氷球粒子と超流動ヘリウムとの相互作用を表す物理量を計測する.これは主としてGSIにおいて行う実験であるが,この一部の準備実験をすることができた.2)この実験のために日本から延べ4名の研究者をGSIおよびワイツマン研究所へ派遣した.また大阪大学における基礎研究のさいに整備した実験装置の一部をGSIへ運送してある.今のところ極く小型の装置を移すだけで十分であることがわかったが,将来さらに大型の装置の移設も考えなければならないと考えている.3)GSIにおいてはビームの調整,装置の基礎的整備ができている.また実験の方法についても大阪大学での長年の努力によって基本的には解決済みである.ただGSIのビームに合わせた調整が常に必要で多少時間を要する.これらは現地の工作所を使って解決している.4)得られたデータに関する解析を広くGSI,ドレスデン工大,ワイツマン研究所および大阪大学と東工大の研究者によって行った.5)そのため研究協力者として,ゲッティンゲン大学から理化学研究所に招聘し大阪大学および東京工業大学の研究者と協力して討論ののち実験を行い,データ整理と解析を行った.得られた実験結果等は,国際会議における報告,論文および教科書の形で発表,あるいは印刷中である.
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[Publications] N.Takahashi,et.al.: "Radioactive Core Ions of Microclusters,“Snowballs"in Superfluid Helium" Hyperfine Interactions. 103. 351-358 (1996)
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[Publications] N.Takahashi,et.al.: "Freezing-Out of Nuclear Polarization in Radioactive Core Ions of Microclusters,“Snowballs"in Superfluid Helium" Hyperfine Interactions. 97/8. 469-477 (1996)
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[Publications] N.Takahashi,et.al.: "Snowballs of Radioactive Ions-Nuclear Spin Polarization of Core Ions" Zeitschrift fur Physik B. 98. 347-351 (1995)