1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07044121
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70161809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 亮 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40262042)
花村 榮一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70013472)
SUMITENDRA M Department of Physics, University of Ariz, 準教授
NASSER Peygh Optical Sciences Center, University of Ar, 教授
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Keywords | 励起子ストリング / 電荷移動励起子 / 光誘起伝導 / 励起子分子 / 非線形光学 / フェムト秒分光 |
Research Abstract |
本研究は、申請者とアリゾナ大学Peyghambarian教授のグループが共同で有機電荷移動錯体における多励起子束縛状態の安定性と非線形光学効果について理論と実験両面から追求することを目的とする研究である。 理論面では解析的な手法(東大花村)数値計算理論(アリゾナ大Mazumdar)により、多励起子状態の電子状態を詳細に調べた。特に多励起子束縛状態の波動関数の形状と多励起子束縛状態が安定化するための条件について明らかにした。また、多数の励起子が量子論的コヒーレンスを持つ場合に放出される光が非古典的になることを示した。 実験面では擬1次元系でのクーロン相互作用による効果としてこれまでの多励起子束縛状態の分光学的研究に加え、低次元系に特有な伝導現象にも着目した。その結果、アントラセンPMDA結晶において励起子と電荷の結合状態を媒介とする新しい電荷輸送現象を見いだした。光によって電荷移動励起子を生成するとそれまで局在していた電荷が電界の方向に引かれて移動することが明らかになった。これは中性の励起子が長距離クーロン相互作用によって電荷と結合し、その結合状態を媒介として電荷の輸送が行われることを示した。これは、光励起による伝導、反応、エネルギー輸送について新たな知見を与えるものであり、様々な分野にインパクトを与えうる成果であると思われる。この機構をよりミクロな立場から解明するために今後も理論実験両面から共同研究を続ける事となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Mazumdar: "A New Class of Collective Excitations : Exciton Strings" THE JOURNAL OF CHEMICAL PHYSICS. 104・23. 9283-9291 (1996)
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[Publications] S.Mazumdar: "Exciton-to-biexction transition in quasi-one-dimensional organics" THE JOURNAL OF CHEMICAL PHYSICS. 104・23. 9292-9296 (1996)
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[Publications] Makoto Kuwata-Gonokami: "Exciton strings and Excition mediated carrier transport in a quasi-one-dimensional organic charge transfer crystal" to be published (Splinger) The 19th Taniguchi Sympojium on″Relaxations of Excited States and Photo-Induced Structural Phase Transitions″July 18-23,1996,Shima-Kanko Hotel,Kashikojima,Mie.
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[Publications] 五神真: "Whispering Gallery Modeによるポリマーマイクロフォトニクス" 高分子. 45・2. 101-101 (1996)
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[Publications] 五神真: "微小球による輻射場の量子制御" 応用物理. 65・9. 950-954 (1996)
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[Publications] E.Hanamura: "Phase-conjugated signal induced and enhanced by weak localization of excitonic polarions" Physical Review B. 54・16. 11219-11223 (1996)