1995 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャ成長のメカニズムとコヒーレント超薄膜の物性
Project/Area Number |
07044133
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木 克道 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HORN von Hoe ハノーバー大学, 固体物理研究所, 助手
HENZLER M. ハノーバー大学, 固体物理研究所, 教授
長尾 忠昭 東京大学大学院, 理学系研究所, 助手 (40267456)
長谷川 修司 東京大学大学院, 理学系研究所, 助教授 (00228446)
井野 正三 東京大学大学院, 理学系研究所, 教授 (70005867)
箕田 弘喜 東京工業大学, 理学部, 助手 (20240757)
谷城 康眞 東京工業大学, 理学部, 助手 (40143648)
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Keywords | シリコン表面 / 相転移 / 表面超構造 / 高指数表面 / サーファクタント / 電子線回折 / 表面電子顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
この研究プログラムで以下のような成果が得られた。 1.Si(111)7×7表面上のAgの電気伝導が4Kから100Kの範囲で1桁以上変化することを見いだした。 2.Si(001)表面上のAgの成長についても研究を行い、Agは(111)方位で成長することが明らかとなった。 3.Si(111)面上の金属に水素を吸着させ、トンネル電流密度の高い条件で探針を表面上で走査し、水素の脱離による金属薄膜の構造変化をSTMを用いて調べた。その結果、探針の走査した線に沿って水素が脱離する事がわかった。 4.Si(111)面上にInを吸着させた表面上と清浄表面上で、Geの成長の様子の違いをTEM法を用いたその場観察を行って調べた。その結果、界面の不一致転位の生成がInの存在によって促進され、その結果Geの三次元島成長がIn吸着表面上では抑制されること明らかとなった。 5.また、相互交流による成果として、東大・長尾助手がハノーバー大学に出張し、ヘンツラ-教授のもとで、SPA-LEED装置を使った実験研究を行った。高温のSi(111)表面上に1原子層程度のAu原子を吸着させると形成される√3×√3表面超構造が、800℃程度で1×1構造に相転移するメカニズム解明のため、LEEDスポットの強度とプロフアイルの温度変化を詳細に測定・解析した結果、単純な格子ガスモデルで記述される秩序・無秩序相転移ではないことが明らかとなった。さらに、Auの吸着量の変化にともなうLEEDの超格子反射点の形状の変化も測定した。この結果を、日本で前もって行ったSTM観察の結果と照らし合わせて検討した結果、超構造の分域境界の特徴的な変化が構造相転移に密接に関連していることが明らかとなった。このように、日独の実験手法が相補的な情報をもたらし、共同で同じ現象を追求することによって格段の研究成果が上がった。
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