1995 Fiscal Year Annual Research Report
脂質修飾抗体の遺伝子工学的合成および新しいセンシングへの応用
Project/Area Number |
07044134
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相澤 益男 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00016742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KEINANEN Kar フインランド工学研究センター(VTT), 生物工学研究所, 主任研究員
春山 哲也 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (30251656)
小畠 英理 東京工業大学, 生命理工学部, 講師 (00225484)
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Keywords | 脂質修飾抗体 / 免疫センシング / 配列制御分子膜 / イムノリポソーム / 遺伝子工学 / フェニルオキサゾロン / タンパク質工学 / バイオセンシング |
Research Abstract |
本研究は、脂質修飾抗体の遺伝子を設計し、そのタンパク質を大腸菌を宿主として大量発現するとともに、脂質修飾抗体の配列制御分子膜を作製し、新しい免疫センシングシステムを構築することを目的として行っている。 平成7年度は、脂質修飾抗体の遺伝子設計、プラスミドの構築、脂質修飾抗体の大量発現と精製、脂質修飾抗体のキャラクタリゼーション、そして脂質修飾抗体を用いた分子膜の作製を行った。 モデル抗原として2-フェニルオキサゾロンに対する抗体のFv部分の遺伝子を、大腸菌リポタンパク質遺伝子に連結し、脂質修飾抗体の発現プラスミドを構築した。得られたプラスミドを用いて形質転換した大腸菌HB101株を培養し、脂質修飾抗体を発現させた。このタンパク質はアミノ末端にシグナルペプチドを有するため、大腸菌のペリプラズムに分泌・蓄積される。一方、カルボキシ末端にはヒスチジン残基を有するため、金属キレートクロマトグラフィーにより、ペリプラズム画分より一段階で精製することができるように設計されている。形質転換した菌体を培養後、菌体を超音波で破砕し、遠心分離して得られた膜画分をニッケル吸着カラムクロマトグラフィーにより精製を行ったところ、1リットルの培養で、約1mgの脂質修飾抗体を得ることができた。ここで得られた脂質修飾抗体は、設計通りに部位特異的に脂質が修飾され、かつ抗原である2-フェニルオキサゾロンに対して十分な結合活性を有することが明らかとなった。また脂質修飾抗体を、脂質であるホスファチジルコリンと共存させることにより抗体二分子膜の作製を行った。その結果、抗原結合能を保持したイムノリポソームを作製することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Masson,K.Yun,T.Haruyama,E.Kobatake and M.Aizawa: "Quartz Crystal Microbarance Bioaffiuity Sensor for Biotiu" Analytical Chemistry. 67. 2212-2215 (1995)
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[Publications] M.Aizawa,N.Nishiguchi,M.Imamura,E.Kobatake,T.Harayama,Y.Ikaryama: "Integrated Molecalar System for Biosensor" Sensors and Actuators B. 24. 1-5 (1995)
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[Publications] K.Yun,春山哲也,小畠英理,相澤益男: "QCMによるバイオアフキニティー測定" ケミカル・センサー. 11B. 21-24 (1995)