1996 Fiscal Year Annual Research Report
ソリトンの振る舞いとその大容量光通信への応用に関する研究
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07044146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 晃 大阪大学, 工学部, 教授 (60240834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸田 章博 大阪大学, 工学部, 助手 (40252613)
戸田 裕之 大阪大学, 工学部, 助手 (00202200)
松本 正行 大阪大学, 工学部, 助教授 (10181786)
ANDREKSON Pe スウェーデンチャルマーズ工科大学, 電気工学部, 助教授
児玉 裕治 米国オハイオ州立大学, 応用数学部, 教授 (50161948)
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Keywords | ソリトン / 光通信 / 光ソリトン通信 / 非線形光学 / ソリトン制御 |
Research Abstract |
1.1996年7月付けで代表者長谷川の旧友であるオハイオ州立大学数学科教授児玉裕治博士を迎え、光ソリトンの研究の陣容が充実した。 2.適当な分散補償を行ったファイバー中での安定でしかもソリトンに比べ遥かに良好な伝達特性を持つ新しい非線形パルスが見つかった。この光パルスは従来のソリトン理論を適応することにより、その相互作用や時間ジッターが解析的に求まることを実証し、その相互作用はコアーのソリトン(ガイデイングセンターソリトン)によって決まることを示した。 3.ソリトンに比べすそ野の広がりがガウス形に近い新しい定常なパルスを作り出す分散マネージメントの方法を検討し、準ソリトンと我々が呼ぶ新しいパルスを理論的に導出することに成功した。準ソリトンは、従来のソリトンに比べてピーク電力が低く、相互作用も少なくなることから、毎秒テラビット領域での伝送が可能になると予測される。 4.代表者長谷川が発見した誘導変調不安定という方法を用い、超高ビットレートのパルス列のクロック抽出を光学的に行うことに関する理論的検討を行った。30個のパルスが欠けていえるようなソリトン列からのクロック抽出が全光学的に可能であることを証明した。 5.スライディング周波数制御を用いて2×10Gbit/sWDMソリトン伝送実験を行った。伝送路中のEDFA利得の波長依存性によって、伝送特性に変化が表れることを確かめた。また、スライディング周波数制御ソリトン伝送において、光源のSN比が劣化すると、伝送距離を制限されることを理論的、実験的に明らかにした。実験では、1波長10Gbit/sソリトンを伝送距離16,000kmにわたって誤り率10^<-9>以下で伝送することに成功した。さらに、櫛形分散マネージメント伝送路を用い、増幅器間隔を分散距離の約3倍としても10ps光ソリトンを1,000km以上にわたって伝送することに成功した。また、MQW電界吸収型光変調器を用いたソリトン光源において、変調器出力光パルスのチャーピング補償の波長依存性を測定した。 6.研究協力者である英国インペリアルカレッジのChernikov博士と共同研究を行い、誘導変調不安定を用いた極短パルス発生の実験をファイバーの分散マネージメント併用することにより、パルス幅0.7ピコ秒程度のフーリエ変換限界に近いパルスの発生に成功した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Hasegawa,S.Kumar and Y.Kodama: "Reduction of collision induced jitters in dispersion menaged soliton transmission systems" Optics Letters. 21. 39-41 (1996)
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[Publications] A.Hasegawa: "Solitons and Their Applications(in Japanese)" Inst.Television Eng.Japan. 50. 1236-1240 (1996)
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[Publications] S.Kumar and A.Hasegawa: "Reduction of initial collision effects by adiabatic expansion in soliton WDM systems" Optics Letters. 21. 1903-1905 (1996)
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[Publications] A.Hasegawa: "Physics,50 Years from Now(in Japanese)" Proc.Phys.Soc.Japan. 52. 40-43 (1997)
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[Publications] Ikeda,M.Matsumoto and A.Hasegawa: "Stabilization of dark-soliton transmission by means of nonlinear gain^<11>" Journal of Optical Society of America B. (掲載予定). (1997)
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[Publications] Matsumoto,Y.Akagi and A.Hasegawa: "Propagation of solitons in fibers with randomly-varying birefringence" IEEE/OSA Journal of Lightwave Technology. 15(掲載予定). (1997)
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[Publications] Tanaka,A.Maruta,Y.Kodama and A.Hasegawa: "Analytical study of NRZ pulse propagation in an optical fiber including third order dispersion" Optics Letters. 22(掲載予定). (1997)
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[Publications] Kumar,A.Hasegawa and Y.Kodama: "Analysis of adiabatic soliton transmission in fibers with lumped amplifiers" Optics Letters. 22(掲載予定). (1997)
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[Publications] H.Toda,T.Shiozaki,Y.Maeda and A.Hasegawa: "Reduction of dispersive waves with dispersion compensating fiber for optical soliton source with an MQW electro-absorption modulator" IEEE/OSA Journal of Lightwave Technology. 15(掲載予定). (1997)