1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07044218
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 眞理 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LYNCH Kevin バージニア大学, 医学部, 準教授
LARNER Josep バージニア大学, 医学部, 教授
阿部 すみ子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50136975)
小林 孝安 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (10221970)
柳川 右千夫 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90202366)
平賀 章 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (80134047)
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Keywords | インスリン / プロテインホスファターゼ / イノシトールプロテオグリカン / ゲノムDNA / プロモーター領域 |
Research Abstract |
プロテインホスファターゼ2C(PP2C)は、様々な細胞機能の制御因子として、生理的に重要な役割をはたしている酵素であり、これまでの当研究室と米国バージニア大学Joseph Larner博士との共同研究により、インスリンの作用点として機能する可能性が示唆されている。平成7年度においては、Larner博士との共同研究をさらに押し進め、インスリンメディエーターであるカイロイノシトールグリカン(CIG)の、プロテインホスファターゼ2Cの各種アイソフォームに対する作用についての検討を行った。 これまでPP2Cには、異なった遺伝子産物である2種類の分子種(PP2CαおよびPP2Cβ)の存在が知られていたが、最近、我々はPP2Cβには単一のpre-mRNAの選択的スプライシングの結果生ずる、5種類のアイソフォームが存在することを明らかにした。これらのPP2CαおよびPP2Cβの各種分子種を大腸菌で発現させて得られた、リコンビナントPP2Cに対する、カイロイノシトールグリカン(CIG)の添加効果を検討した。その結果、通常のアッセイの場合、PP2Cは活性発現にMg^<2+>の存在を必要とするが、CIGを添加すると、いずれの分子種もMg^<2+>非存在下においても、高い活性を示すことが明らかとなった。さらに、PP2C分子におけるCIGの作用点を解明するために、PP2CαのN末或いはC末の、十数アミノ酸を除去した変異体PP2Cαを調製し、これらに対するCIGの添加効果を調べた。その結果、N末およびC末を除去した変異体においても、CIGによる活性の促進が観察された。これらの結果は、インスリンメディエーターとしてのCIGが、PP2Cの生理的な活性化因子として機能すること、およびCIGのPP2C分子における作用点が、N末およびC末以外の領域に存在することを示唆している。 現在、作用部位をさらに詳細に検討するために、分子内に点突然変異を導入した変異体PP2Cを調製し、CIGの添加効果を調べる作業が進行中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kato,S.: "Molecular cloning and expression of mouse Mg^<2+>-dependent protein phosphatase β-4(Type 2Cβ-4)." Arch.Biochem.Biophys.318. 387-393 (1995)
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[Publications] Yokoyama,N.: "PP2C phosphatase activity is coupled to cAMP-mediated pathway in rat paroted acinar cells." Mol.Biol.Internatl.36. 845-853 (1995)
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[Publications] Kobayashi,T.: "Enhanced UV sensitivity of yeast cells induced by over expression of Mg^<2+>-dependent protein phosphatase α(type 2Cα)." Mutation Res.in press.
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[Publications] Guo,H.: "Protein phosphatase mRNA expression in purkinje cells of staggerer and reeler mutant mice." Mol.Brain Res.33. 121-126 (1995)
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[Publications] Nishikawa,M.: "Up-regulation of protein serine/threonine phosphatase type 2C during 1α,25-dihydroxyvitamin D_3-induced monocytic differentiation of leukemic HL-60 cells." FEBS Lett.375. 299-303 (1995)
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[Publications] Ohnishi,M.: "Localization of the Mouse protein serine/threonine phosphatase 2Cβ gene to chromosome 17E4-5." Genomics,in press.
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[Publications] Watanabe,T.: "Mouse protein phosphatase 2Cβ(Ppmlb)gene maps to the distal part of mouse chromosome 17." Genomics. (in press).
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[Publications] 小林孝安: "シグナル伝達実験法" 羊土社, 188-197 (1996)