1996 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク核実験場近郊住民の被曝線量評価と疾病調査
Project/Area Number |
07044270
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
星 正治 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50099090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
APSALIKOV Ka カザフスタン放射線医学環境研究所, 副所長
GUSEV Boris カザフスタン放射線医学環境研究所, 所長
ROZENSON Raf カザフスタン放射線医学環境研究所, 主任研究員
難波 裕幸 長崎大学, 医学部, 助教授 (80237635)
山本 政儀 金沢大学, 理学部, 助教授 (10121295)
藤村 欣吾 広島大学, 医学部, 教授 (80034114)
長友 恒人 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80031582)
柴田 義貞 長崎放影研疫学生物統計部, 部長
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
早川 式彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40022834)
高田 純 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (00274134)
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Keywords | セミパラチンスク / 核兵器実験 / フォールアウト / 環境放射線 / 土壌汚染 / 外部被曝線量 / 被曝者 |
Research Abstract |
カザフスタン共和国の北部に位置するセミパラチンスク地域の住民に対する核兵器実験のフォールアウトの影響研究をカザフスタン放射線医学環境研究所との共同研究として始めた。セミパラチンスク核実験場では1949年から1989年までに延べ467回(地上21回、空中103回、地下343回)の核爆発が実施されている。しかし、これまでは核実験サイト近郊住民への放射線影響に関するレポートは旧ソ連の軍部の測定データに基づいたものに限られており、この国の独立前後で被曝線量の報告値が大きく異なるなどそのデータには疑問が少なくない。そこで我々は被曝線量評価と住民の放射線影響をテーマとした。 1995年の調査ではセミパラチンスク旧核実験場近郊の比較的被曝線量が高いと報告されているドロン、ズナメンカなどの地区で、煉瓦や土壌等の被曝試料約100キログラムを採取し、採取した被曝資料は日本へ持ち帰ることができた。過去、米国の調査団が試料の国外持ちだしに失敗しており、その年の日本が公式的には最初であった。 採取した煉瓦から石英を抽出し、熱蛍光法により外部被曝線量を測定した。結果はドロンは過去の報告値に近い値889cGyとなったが、意外にもセミパラチンスク市で採取した煉瓦が既法則値の100倍もの高い値41cGyを示した。この都市の人口は35万人あり、今後サンプリング箇所を増やし、線量評価の確度を高める必要がある。そこで1996年の調査では、セミパラチンスク市内に重点を置き、5箇所で被曝煉瓦の採取を行った。現在その解析中である。 この地域の幾つかの村における環境放射線測定を実施した。その結果は、1995年の今日では0.1μSv/h以下で、自然バックグランドレベルにあった。 また土壌の残留放射能測定結果もCs-137の低い値であった。それは1000〜2000Bq/m^2の範囲にあり、日本の環境レベルと比べても高くはなかった。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] M.Hoshi,G.Vigt,H.G.Paretzke et al.: "Scientific recommendations for the reconssstruction of radiation doses due to the reactor accident at Cernobyl" Radiat.Enbiron.Biphys.35. 1-9 (1996)
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[Publications] M.Hoshi,M.Matsuda,N.Hayakawa,et al: "Estimation of radiation does for atomic-bomb survivors in the Hiroshima university tegistry" Health Physics. 70. 735-740 (1996)
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[Publications] 松浦正明、早川式彦、星正治、他: "ABS93Dによる広島県在住原爆被爆者の胃・肺・乳・結腸癌死亡のリスク評価" 広島医学. 49. 310-313 (1996)
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[Publications] N.Hoshi: "DS86 Dosmetry" Effects of A-bomb radiation of the human body. 368-380 (1996)
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[Publications] S.Endo,M.Hoshi,S.Suga,J.Takada,K.Komatsu: "Determination of the relative neutron sensitivity of a C-co_2 ionization chamber" Phys.Med.Biology. 41. 1037-1043 (1996)
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[Publications] 星正治、高田純、遠藤暁、藤村欣吾、倉本淳、山下俊一、難波弘幸、他: "チェルノブイリ近郊住民のCs-137体内量の測定" 保健物理. 31. 132-141 (1996)
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[Publications] M.Hoshi,J.Takada,T.Oka,K.Iwatani,K.Shizuma,H.Hasai: "Apossible explanation for the DS86 discrepancy between the data and calculation in Hiroshima" Nagasaki Symposium Radiation and Human Health. Proposal from Nagasaki,Proceedings of the Nagasaki Symposium '95 50th Anniversary meeting of the Atomic Bombing in Nagasaki. 175-191 (1996)
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[Publications] R.Rozenson,高田純、田中英夫、新田由美子、金隆史、星正治、他: "セミパラチンスク住民における電離放射線被曝の発癌におよぼす影響21GC08:広島医学" 49. 299-302 (1996)
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[Publications] J.Takeda,M.Hoshi,T.Yamamoto,M.Watanabe,T.Takagi: "Optelectronic functions in organic-inorganic hetero nanosystems. Third International Conference on Intelligent Materials" Third European Conference on Smart Structures and Materials. 2229. 788-793 (1996)
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[Publications] J.Takeda,M.Hoshi,R.I.Rozenson,M.Yamamoto,T.Nagatomo,B.I.Gusev,K.N.Apsalikov et al.: "Environmental Radiation Dose in Semipalatinsk Area near Nuclear Test Site" Health Physics. (in press).
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[Publications] J.Takeda,M.Hoshi,M.Yamamoto,T.Nagatomo,B.I.Gusev,R.I.Rozenson,K.N.Apsalikov et al.: "Dosimery Study of residents near Semipalatinsk Nuclear test site" Proc.of RADTEST Beijing Meeting 1996. (in press).