1995 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子破壊法によるヒストンバリアントの機能解析に関する共同研究
Project/Area Number |
07044283
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
中山 建男 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60031712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUERSTEDDE J バーゼル免疫研究所, 研究員
武田 俊一 バーゼル免疫研究所, 研究員
武知 進士 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10222100)
高見 恭成 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80236356)
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Keywords | ヒストン / 遺伝子破壊法 / 自己補償機構 / 遺伝子発現制御 / RNase Protection wethob / 2次元電気泳動 |
Research Abstract |
ニワトリの各ヒストンサブファミリー遺伝子は6〜12コピー存在し、合計44コピーと比較的少ない。さらに、これらのほとんどが約110kbの1つのクラスター内に存在するため、真核生物のヒストン遺伝子群の全体像を把握するのに最適の系である。本研究では、高頻度にターゲット・インチグレーションを起こすニワトリBリンパ細胞株DT40で、ジーン・ノックアウト法を用い、ヒストン遺伝子の機能に関して、以下の点を明らかに出来た。 1、全H3mRNA量の約25%を占めるH3-IV/H3-Vを欠失した変異株で、残り全てのH3遺伝子の発現量が増大し、全H3mRNA量は一定に保たれていた。この結果、増殖速度に変化がなかった。 2、11コピーのH3遺伝子のうち、4つに関してシス配列を同定したところ、個々の遺伝子に特異的な配列の他に、1つのCCAAT配列が共に必須であった。したがって、この配列が自己補償機能に関与している可能性がある。 3、H2B遺伝子は8コピー存在する。全H2BmRNA量の約10%を占めるH2B-Vを欠失した変異株で、残りのH2B遺伝子の発現量が増大し、全H2BmRNA量は一定に保たれていた。この増大効果は残りのH2B遺伝子全てに共通であった。さらに、変異株の蛋白質の2次元電気泳動パターンは野生株のそれと異なっていた。 4、6コピー存在するH1遺伝子の中の1つ(01H1)を欠失した変異株でも、残り全てのH1遺伝子の発現量が増大し、全H1mRNA量は一定に保たれていた。さらに、2次元電気泳動による分析の結果、変異株の蛋白質パターンが変化していることが示された。 以上の結果から、全てのヒストン遺伝子群は自己の転写産物を一定に保つ自己補償機構を有していることが明らかになった。さらに、各ヒストンバリアントはそれぞれ特定の遺伝子の発現制御に関与していることも示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takami,Y.,Takeda,S.and Nakayama,T.: "Targeted disruption of an H3-IV/H3-V gene pair causes increased expression of the remaining H3 genes in the chicken DT40 cell line" J.Mol.Biol.250. 420-433 (1995)
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[Publications] Seguchi,K.,Takami,Y.and Nakayama,T.: "Targeted disruption of 01H1 encoding a particular H1 histome variant causes changes in protein patterns in the DT40 chicken B cell line" J.Mol.Biol.254. 869-880 (1995)
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[Publications] Takami,Y.and Nakayama,T.: "Possible involvement of a ubiquitous and several distinct elements in the transcription regulation of the chicken H3 histone gene family" Biochim.Biophys.Acta. 1264. 29-34 (1995)
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[Publications] Takami,Y.,Takeda,S.and Nakayama,T.: "Targeted disruption of H2B-V encoding a particular H2B histone variant causes charges in protein patterns on two-dimensional polyacrylamide gel electrophoresis in the DT40 chicken B cell line" J.Biol.Chem.270. 30664-30670 (1995)
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[Publications] 高見恭成、中山建男: "ヒストンファミリー" 生体の科学. 46. 390-392 (1995)