1995 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン受容体を介した細胞増殖および分化シグナルの分子機構の解析
Project/Area Number |
07044284
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
吉村 昭彦 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LODISH Harve マサチューセッツ工科大学, 教授
宮島 篤 DNAX研究所, 主任
原口 みさ子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10244229)
住澤 知之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90206582)
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Keywords | サイトカイン / エリスロポエチン / インターロイキン / STAT / 転写調節 / サブトラクション / プロモーター / SH2ドメイン |
Research Abstract |
我々はサイトカイン受容体からのシグナル伝達を解明するためエリスロポエチン(EPO)受容体を介する初期応答遺伝子を検索し、SH2ドメインを有する新規分子CISおよびマウス・オンコスタチンM(OSM)をクローニングした。CIおよびSOSMは未分化な骨髄系細胞においてIL2、IL3、GM-CSF、エリスロポエチンなど各種因子によって極く短時間に誘導された。誘導の分子機構を解析するためにプロモーター領域約1キロベースをクローニングしレポーター遺伝子に融合させた。このレポーター遺伝子はエリスロポエチンなどで強力に誘導された。CISおよびOSMのプロモーター領域には転写開始部位付近に複数のGAS(インターフェロンγ活性化部位)様配列が存在しサイトカインによる転写促進に必須であることがわかった。COS細胞ではこれらのプロモーターはSTAT5は多くのサイトカインで共通に活性化されることからCISおよびOSMの転写調節にSTAT5が関与することが強く示唆された。しかしCISとOSMの誘導の時間変化などは異なっており、STAT5以外の要素も関与するものと考えられる。次にCISのシグナル伝達における役割を解析するためCIS遺伝子をステロイドで誘導可能なプロモーターに融合し血液株細胞に導入した。この結果エリスロポエチンやIL3による増殖作用の抑制がみられ、かつCISが活性化されたEPO受容体やIL3受容体に会合することが明らかとなった。今後CISを経由するシグナル伝達経路を明らかにし、またトランスジェニックマウスなどで生理機能を明らかにしたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshimura,A,Ichihara,M.,Kinjyo,I他: "Mouse oncostain M : an immediate earky response gene induced by multiple cytokines through the JAKs/STAT5 pathway." EMBO Journal. 15(印刷中). (1996)
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[Publications] Yoshimura,A,Ohkubo,T.,Kiguchi,T.他: "CIS encodes an SH2-contanining protein that binds to tyrosine phosphorylated interleukin 3 and erythropoietin receptors." EMBO Journal. 14. 2816-2826 (1995)
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[Publications] T.Hara,K.B.Bacon,L.C.Cho,A.Yoshimura,Y.Morikawa,N.他: "Molecular cloning and functional characterization of a novel member of the C-C chemokine family." Journal of Immunology. 155. 5352-5358 (1995)
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[Publications] 吉村昭彦: "サイトカインレセプターとシグナル伝達" 炎症と免疫. 4. 140-149 (1995)