1995 Fiscal Year Annual Research Report
中国新彊及びカザフスタンにおける少数民族文化の持続と変容に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07045008
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 孝一 九州大学, 教育学部, 教授 (80037035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地 木拉提 新彊師範大学, 文化人類学研究所, 所長 助教授
丁米 楊 新彊師範大学, 教育系, 講師
西原 明史 九州大学, 教育学部, 助手 (60274411)
|
Keywords | 民族 / 文化 / 教育 / 文化相対主義 / 国家 / 権力 / カザフスタン / 少数民族 |
Research Abstract |
民族間関係が世界各地で問題となっている今日、われわれは中国・カザフスタン両国にまたがって居住するカザフ族に焦点を当て、特に旧ソ連から独立した新生国家カザフスタンの民族教育に関心をもって本研究に取り組んだ。まず北京では、国家民族事務委員会で、カザフ族及びカザフスタン国の現況につき情報を収集した。カザフスタンはビザの取得が困難だと言われていたが、事前に十分時間をかけて準備すれば可能であると判った。鳥魯木斉で、九州大学と姉妹関係を持つ新彊師範大学の共同研究者地木拉提教授と1年ぶりに再会し、4人全員そろってカザフスタンの首都アルマトゥへ行く。全日程21日間の内、カザフスタン滞在が15日というスケジュールであったが、良き理解者の紹介を得て、カザフスタン大学、文部省、国立アカデミー民族研究所、同東方研究所、博物館、民族病院等を毎日積極的に訪問し、関係者の十分な理解を得て、関連資料の収集をすることが出来た。さらに、思いがけなく、推されてカザフスタン予防医学アカデミー正会員になることが出来たことは、名誉であると共に、今後の研究遂行上、好都合であると思われる。また、カザフ族の民家も訪問し、特にテント生活をする家庭を訪問出来たが、時間的には必ずしも十分ではなかった。次年度は、この点にゆとりを持ちたい。 カザフスタンで収集した資料をもとに、カザフスタンの民族教育について小論を書くことが出来た。来年度以降、さらに資料を重ねて、より詳細なモノグラフを書く準備をしたい。また、研究協力者の地木拉提氏を日本学術振興会のお力添えで短期間とはいえ、招聘することが出来るのは、大変有り難い(平成8年3月から90日間)。 カザフスタンはインフレがかなり進み、市内の宿泊費や行動費も高いが、何とか克服の方法も目途が付いたのは具体的な収穫の一つであった。
|