1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07045018
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 龍三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
INOUE Kanryu ワシントン大学, 工学部, 教授
田谷 稔 ワシントン大学, 工学部, 教授
KOBAYASHI Al ワシントン大学, 工学部, 教授
季 敬鋒 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50241542)
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
|
Keywords | 傾斜機能材料 / 複合材料 / 破壊靭性 / 熱衝撃特性 / 熱応力緩和機能 / 力学特性評価法 / 破壊力学 / ビッカース圧子圧入法 |
Research Abstract |
東北大学側が、主として傾斜機能材料供試材の作製、バーナー炎加熱熱衝撃試験、および繰り返しビッカース圧子圧入試験を実施し、ワシントン大学側が、実験-数値解析ハイブリッド法による破壊靭性評価試験を実施した。それらの結果の比較検討を行い、熱衝撃試験における傾斜機能材料の破壊損傷のメカニズムおよび本材料特有の破壊抵抗の発現のメカニズムを明らかにした。概略は以下の通りである。 ジルコニア/ステンレス鋼製傾斜機能材料のついて、実環境を模擬したバーナー炎加熱熱衝撃試験を行い、傾斜機能材料における亀裂の発生条件および進展形態を明らかにした。亀裂の発生は熱衝撃負荷時の応力発生とその集中および材料内における欠陥の分布形態に依存すること、および傾斜機能材料における最も典型的な損傷は、冷却時に発生する表面縦亀裂であること、ならびにその亀裂の進展は傾斜組成制御層の存在により効果的に抑制されることを明らかにした。また、繰り返しビッカース圧子圧入試験を考案し、同上の傾斜機能材料について破壊靭性の評価を行い、熱衝撃破壊特性との比較を行った。繰り返しビッカース圧子圧入試験は従来の破壊靭性評価法に比べて、薄い傾斜層の破壊靭性の評価に適しており、比較的簡便であるという特長がある。本法について材料力学的および破壊力学的考察を行い、傾斜機能材料の破壊靭性の評価法としての有効性を明らかにした。さらに、実験-数値解析ハイブリッド法による亀裂進展破壊特性の評価実験を行い、傾斜機能材料における亀裂の進展特性を明確に把握した。本結果により、傾斜機能材料における亀裂の進展および破壊抵抗発現のメカニズムが明らかになった。 本国際共同研究は傾斜機能材料の破壊力学に対して基本的な知見を与えたものであり、今後の傾斜機能材料の研究の進展に大きく資することが期待される。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Z.Li: "Experimental Study of the Fracture Toughness of a Ceramic/Ceramic Matrix Composite Sandwich Structure" J. Am. Ceram. Soc.78. 1633-1639 (1995)
-
[Publications] 川崎 亮: "金属/セラミックス系焼結傾斜機能材料の熱衝撃き裂伝播機構" 粉体および粉末治金. 43. 295-299 (1996)
-
[Publications] J.-F.Li: "Fracture resistance characteristics of different-sized Al_2O_3-dispersed 3Y-PSZ composites" J. Mater. Sci. Lett. 15. 1264-1266 (1996)
-
[Publications] A.Kawasaki: "Concept and P/M fabrication of functionally gradient materials" Ceramics International. 24. 73-83 (1997)
-
[Publications] 高木 健太: "PSZ/ステンレス鋼系遮熱コーティングの熱サイクル破壊挙動." 粉体および粉末冶金. 44. 734-739 (1997)
-
[Publications] Jing-Feng Li: "R-Curve Determination of 3Y-PSZ by the Indentation Strength-in-Bending Method" J. Ceramic Society of Japan. 105. 88-90 (1997)