変分原理に基づく非線形構造物の最適設計法に関する研究

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07045029
• Research Institution: Ehime University
• Principal Investigator: 大久保 禎二 愛媛大学, 工学部, 教授 (80036235)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 谷脇 一弘 愛媛大学, 工学部, 助手 (60207199) ; 卜 小明 天津大学, 力学学部, 助教授
• Keywords: エネルギー原理 / 剛節骨組構造物 / 材料非線形性 / 解析上の必要条件 / 最適設計法 / 射影勾配法

Research Abstract

(1)研究代表者がこれまでに研究し開発している最小コンプリメンタリーエネルギーの原理にもとづく剛節骨組構造物の非線形解析法を用いて、非線形解析問題のラグランジュ関数を導入し、非線形解析問題の解が満足すべき必要条件を導入した。(2)(1)で導入した剛節骨組構造物の非線形解析上満足すべき必要条件を原最適設計問題の設計条件に新らたに加え、原設計変数である構造物の各部材の断面幅のみならず、各部材の部材端力および節点変位をも独立な設計変数として考慮した新たな最適設計問題を定式化し、いかなる線形・非線形応力度-ひずみ関係を有する材料よりなる剛節骨組構造物の最適設計問題にも適用できる汎用性のある最適設計問題を定式化した。(3)(2)で導入した最適設計問題を研究代表者がこれまでの研究により確立している勾配射影法の最適化プログラムを用いて最適設計プログラムを開発した。(4)(3)で開発した最適設計プログラムを用いて線形・非線形剛節骨組構造物の最適設計を行い、その結果の内容を検討しつつ、定式化の詳細および最適化のアルゴリズムの改良を行った。
以上の研究により、1)最小コンプリメンタリーエネルギーの原理にもとづく剛節骨組構造物の非線形解析法を用いて、非線形解析問題の解が満足すべき必要条件をきわめて単純な式で導入し、計算することができること。2)1)で導入した剛節骨組構造物の非線形解析上満足すべき必要条件を原最適設計問題に加え、構造物の各部材の断面寸法のみならず、各部材の部材端力および節点変位をも設計変数として考慮した新たな最適設計問題を導入することにより、構造物の非線形挙動の感度係数を用いることなく、いかなる線形・非線形応力度-ひずみ関係を有する材料よりなる剛節骨組構造物の最適設計問題をも能率的に解くことができることなどが明らかとなった。