1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07045033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 清隆 北海道大学, 水産学部, 教授 (40001606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NORCROSS B.L アラスカ大学, 水産・海洋学部, 助教授
ESLINGER D.L アラスカ大学, 水産・海洋学部, 助教授
PAUL A.J. アラスカ大学, 水産・海洋学部, 準教授
WEINGARTNER ティー.ジェイ アラスカ大学, 水産・海洋学部, 助教授
ALEXANDER V. アラスカ大学, 水産・海洋学部, 教授
TYLER A.L. アラスカ大学, 水産・海洋学部, 教授
大西 広二 北海道大学, 水産学部, 助手 (80241371)
小達 恒夫 北海道大学, 水産学部, 助手 (60224250)
志賀 直信 北海道大学, 水産学部, 講師 (30091466)
石井 清彦 北海道大学, 水産学部, 講師 (10001629)
磯田 豊 北海道大学, 水産学部, 助教授 (10193393)
中谷 敏邦 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80188979)
斎藤 誠一 北海道大学, 水産学部, 助教授 (70250503)
桜井 泰憲 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30196133)
簗山 満 北海道大学, 水産学部, 助教授 (00166555)
三宅 秀男 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60002127)
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Keywords | スケトウダラ / 加入量変動 / 海氷分布 / 基礎生産 / 初期餌料 / ベーリング海 / 海水交流 / リモートセンシング |
Research Abstract |
北大練習船「おしょろ丸」を用いて、平成8年7月17日から8月1日までの約2週間、南東ベーリング海からセントローレンス島南部海域までの陸棚、斜面部と公海域において海洋・生物調査を実施した。両海域において、海洋構造と大気・海洋間の熱収支に関する基礎データの収集、栄養塩類の計測、クロロフィル量の現場測定、水中光学観測、植物・動物プランクトンの採集をおこない、衛星画像により観測された水塊や前線分布との対応を調査中である。南東ベーリング海域では、スケトウダラ幼稚仔の採集およびトロールによる底生生物群集調査(8年度より新たに開始)を、セントローレンス南部海域でも同様に底生生物群集調査を実施した。 調査終了後、北大側研究者(斉藤、桜井)は、フェアバンクスに立ち寄り、8年度の調査内容の検討と9年度以降の調査計画の策定を行った。7年度同様、中・長期変動に関して、「おしょろ丸」により観測された長期に蓄積された過去の海洋観測データを使用して底水温分布と気候変動との対応について解析を進めた。 平成7年は平年より春季から夏季にかけての海氷の後退が遅く、寒冷年と考えられたが、平成8年は、南東ベーリング海域の底層における摂氏0度以下の低水温(底冷水)分布は平成7年より北偏していた。このため、温暖年に卓越するスケトウダラの分布域の拡大と分布密度は平成7年より高く、逆に寒冷年に卓越するホッキョクダラ幼魚の出現は少ない傾向を示した。また、セントローレンス島南部海域では、平成7年は表層で盛んに基礎生産が行われている水域が存在していたが、平成8年は底層にクロロフィル量の高濃度域が分布しており、この2年間で温暖年と寒冷年の異なる海洋環境での調査が遂行できた。両年の観測データの解析は、ベーリング海の生物生産システムの年変動を考慮する上でも、極めて重要と考えられる。 アラスカ大学海洋研究所で受信した衛星データをもちいてセントローレンス南部海域に形成される風による沿岸湧昇について平成7年度と平成8年度との比較ができた。平成7年度に続き、両海域において水中光学観測とクロロフィル量現場観測を同時に実施して、水中光学アルゴリズムについて解析した結果、夏季ベーリング海のモデルは米国研究者のモデルとおおよそ一致することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Onishi,M.and K.Ohtani: "Volume Transport of the Tsusima Warm Current,West of Tsugaru Strait Bifurcation Area" Journ.Oceanogr.53. 27-34 (1997)
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[Publications] Odate,T: "Abundance and Size Composition of the Summer Phytoplankton Communities in the Western North Pacific Ocean,the Bering Sea,and the Gulf of Alaska." Journ.Oceanogr.52. 335-351 (1996)
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[Publications] Uehara,K.,H.Miyake and M.Okazaki :"Characteristics of the flows in the Oyashio area off Cape Erimo." Journ.Oceanogr.53. 53-93 ((1997))
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[Publications] 植原量行・三宅秀男: "風の季節変動に伴う襟裳岬南東における親潮の応答." 海と空. 72. 21-29 ((1996))
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[Publications] Saitou,S.,M.Kishino,H.Kiyofuji,S.Taguchi and M.Takahashi: "Seasonal Variability of Phytoplankton pigment Concentration in the Okhotsk Sea" Journ.Remote Sensing Soc.Japan. 16. 86-92 ((1996))
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[Publications] Saitoh,S.,T.Miyoi and M.Kisino: "Development of bio-optical algorithm for ocean color remote sensing in the sub-Arctic North Pacific Ocean" Ocean Optics XIII(Proc.SPIE Int.Soc.Opt.Eng.). XIII. 766-771 (1997)