1995 Fiscal Year Annual Research Report
自然湖沼およびダム湖における富栄養化機構の解析と保全に関する比較研究
Project/Area Number |
07045037
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
沖野 外輝夫 信州大学, 理学部, 教授 (50020681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ちょう 圭松 韓国江原大学校, 自然科学大学, 教授
金 凡徹 韓国江原大学校, 自然科学大学, 教授
安 泰爽 韓国江原大学校, 自然科学大学, 教授
加藤 憲二 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70169499)
渡辺 義人 信州大学, 繊維学部, 講師 (10021172)
朴 虎東 信州大学, 理学部, 助手 (20262686)
林 秀剛 信州大学, 理学部, 教授 (60087129)
|
Keywords | 湖沼 / ダム湖 / 富栄養化機構 / 藍藻毒素 / 韓国 |
Research Abstract |
本年度は韓国のダム湖および河川の状況を両国の研究者が共同で調査し、共通の認識を得ることを第一目標として調査、研究を行なった。調査対象とした韓国内のダムは10か所、河川ならびに湧水は19か所で、東海岸側の河川を除く韓国全地域である。これらのダム、河川の基本的な水質を測定し、地質条件との関連性を検討し、水質の地域特性の解析を行なっている。調査を行なったダムのほとんどは上水の水源として利用されていたが、特に中流部、下流部のダムの富栄養化がはなはだしく、藍藻類による水の華現象がみられた。今回観察された藍藻類の主な藻のはMicrocystis属が5種、Anabaena属が4種、Oscrllatoria属が1種であり、多くの水域から藍藻の毒性物質であるミクロシスチンが検出された。しかし、これまでに韓国のダムからも報告されていたアナトキシンは検出されなかった。これらの水域は上水の取水が行なわれていることから、藍藻類の繁殖は大きな社会問題ともなっており、浄化対策が検討されている。わが国でも同様な事例があり、わが国の浄化対策が韓国にとっても参考となり得るとの理解が両国の研究者の一致した意見となっている。 10月には、韓国側の研究者が来日し、夏の現地調査の結果を検討しつつ、今後の共同研究の方向性について意見交換を行なった。その結果、平成8年度には本年度調査が行なえなかった韓国東海岸を調査対象に加え、韓国全土の基本水質と地質との関連性を解析すること、富栄養化の進行している代表的ないくつかのダムを集中的に調査、研究し、わが国の現状を含めて、ダム湖の有効な浄化対策を検討することで了解した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 沖野 外輝夫: "諏訪湖にみる環境修復事例" 環境情報科学. 24(3). 24-26 (1995)
-
[Publications] 沖野外輝夫・渡辺義人: "湖沼沿岸域の浄化容量" 信州大学環境科学年報. 18(印刷中). (1996)
-
[Publications] 沖野外輝夫: "諏訪湖における湖の利用と保全" 第6回世界湖沼会議論文集. 1. 17-20 (1995)
-
[Publications] 渡辺義人・沖野外輝夫・林秀剛他: "長野県における湖沼環境の現状" 信州大学環境科学年報. 17. 51-62 (1995)
-
[Publications] Ahu,T.,Choi S.and Park H.: "The distribution of attached bacleroa on ullulse filn and cellulose degradrtion retes in Lake Soyang,Korea" Rep.Suwa Hydrobiol,Fac,Sci.,Shinshyu Univ.9. 69-76 (1995)
-
[Publications] Kim B.,Hwony G.and Kim D.: "Entrephncation and the prinary producticity of Phstoploniklen in Lake Soyamg,Korea." Rep.Suwa Hydrobiol,Fac,Sciences Shinsnyu Univ.9. 155-160 (1995)