1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07045046
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
今井 庸二 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GRANR Mary ストラスクライド大学, バイオエンジニアリングユニット, 講師
WILKINSON Ro ストラスクライド大学, バイオエンジニアリングユニット, 講師
COURTNEY Jam ストラスクライド大学, バイオエンジニアリングユニット, 教授
BARBENEL Jos ストラスクライド大学, バイオエンジニアリングユニット, 教授
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013892)
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Keywords | 骨セメント / 安全性 / 安定性 / 残留モノマー / 力学的性質 |
Research Abstract |
骨セメントに関する日本-英国間の討論により、骨セメントの硬化後に残留するモノマーが生物学的安全性、長期の安定性にかかわる最も重要な因子であることが確認され、残留モノマーという観点から骨セメントの研究を行うことになった。 まず骨セメント中に残留するメチルメタクリレートモノマー(MMA)の定量法について検討した。骨セメントをアセトンに溶解し、メタノールで固型物を沈澱させ、上澄液を高速液体クロマトグラフで分析した。逆相分配カラムを使用し、メタノール/水(85/15)を移動相とすることでMMAを定量できることがわかった。英国において臨床で使用して患者から回収した骨セメントの試料では、いまのところごくわずかのモノマーしか検出されていない。 残留モノマーの測定と平行して、骨セメント中の残留モノマーを減少させるような新しい骨セメントの試作を行った。従来の骨セメントに新しい成分としてフッ素系ポリマーを配合した。フッ素系ポリマーの配合量の増加とともに残留モノマーはかなり減少することがわかった。また、フッ素系ポリマーの配合によりべとつきも減少し、操作性もよい骨セメントになり得る可能性が示された。 材料学的解析に関しては、患者からの回収試料の形状が不定であるため、材料試験のための試験片の作製が極めて困難となっており、試験法及び試験片の作製について種々の予備的検討を行った。いまのところ微小押込み試験法が比較的行いやすい方法のように思われる。
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